「中古アパートの利回りと新築アパートの入居率、アパート経営は新築と中古、どちらを選んだらいいんだろう」
アパート一棟投資を検討するにあたって、新築、中古どちらがいいのか迷うところです。どちらの物件にも一長一短ありますので、運用指針がないとずっと悩んでしまい、いつまでも決めることができません。
新築、中古を決めるにあたって大事なのは、運用の目的です。目的を定めておけば新築と中古で悩むことはありません。
この記事では、中古、新築アパートを比較し、解説します。投資対象の選定ができるようになりますので、ぜひご覧ください。
目次
アパート経営は中古と新築どちらがいいのか
物件情報を見ていると、高利回りの中古アパートやこれから建設する新築アパートなどさまざまな情報が多く掲載されています。新築が良いのか、それとも中古が良いのか、不動産投資初心者の方は特に悩むポイントです。
物件の選定には不動産投資の終わりから逆算して考えてみる、という手段があります。
出口戦略から逆算して考える
不動産投資の出口戦略を3つに分けて解説します。
売却
物件を売却して運用を終える場合は、どの程度の期間運用するのかが重要となってきます。
中古アパートは、残債を売却価格が上回る期間が多いので売り時にさほど困ることはありませんが、新築の場合、残債が売却価格を上回る期間が長いため売り時が限定されてしまうのです。
売却によってローンの残債を一括返済しなければならないため。手元現金がなければ売ることができないという、新築物件の売り時問題が発生します。
長い期間運用する場合は新築アパートが良いのですが、短期間の運用で物件の売却を見据える場合、中古アパートのほうが良い選択となります。
所有し続ける
30年間など長い期間運用することを考えると、新築アパートが良いです。
現代建築されるアパートは耐震性が考慮され、頑丈に作られています。当面の間は、修繕する必要もなく運用することができます。
間取りやデザインも、最新のものが取り入れられていますので、運用スタート時点では、高い入居率を見込むことができます。築10年以内の瑕疵は住宅事業者が無償で修繕してもらえますので、10年は大掛かりな修繕費用が発生しない点も見逃せません。
長い期間所有し続ける場合、新築アパートがオススメです。
更地にする
建物を壊して更地にし、新たにアパートを新築する、駐車場の運用に変えるなど柔軟性を持った運用の出口戦略です。
アパート運営の強みは、不動産投資をやめても土地が残ることです。残った土地は、借地に回したり、駐車場の運営にも活用できるのです。
基本的に新築も中古も土地込みの価格となっていますので、ここでも運用期間によって新築か中古の運用を決めるのが良いです。
中古・新築アパート経営のメリット・デメリット
中古と新築アパートを経営するにあたってそれぞれの強みを以下にまとめてみました。
新築アパート | 中古アパート | |
---|---|---|
物件価格 | ☓価格が高い | ◯新築よりも安い |
利回り | ☓5~7% | ◯7~10% |
入居率 | ◯新築はすぐに満室 | ☓築年数が経つほど入居が厳しい |
修繕コスト | ◯修繕費は少ない | ☓修繕費の割合は大きい |
賃料 | ◯新築賃料として高く設定できる | ☓築年数に応じた賃料に設定 |
融資条件 | ◯有利な条件で融資を受けることもできる | ☓長期融資が通りにくい |
表にすると、新築アパートは緩やかに収益を出しながら長期に運用するのに向いており、中古アパートは運用の手仕舞いをしっかりと意識しながら運用しなければいけないということがよくわかります。
中古アパートは修繕費用がかかりますので、利回り計算の時に修繕費を加算しておく必要があります。新築は10年間の手直しが無料で行ってもらえますので、修繕費の違いははっきりとしています。
中古アパートを経営する時は、いいとこ取りを意識してスタートするようにしましょう。
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中古アパート売出しの理由を推察する
中古アパートを買うにあたって、なぜ売り出されているのか、ある程度推察するようにしましょう。
投資物件として適さない物件が売り出されていることもあるので注意が必要だからです。大雑把に分けると売出しの理由は以下の2通りです。
- 今がもっとも高く売れると思った
- 損失を抑えたい
オーナーさん個々の事情があるので一概には言えませんが、”損を抑える””売りどきと判断した”このいずれかの理由でしょう。
ポータルサイトには物件の細かい情報が記載されていますので、築年数や立地、入居率、利回りなど総合的に判断して、売出し理由を推察しましょう。
満室のアパートが売り出されてる理由
ポータルサイトを見ていると、満室なのに売り出されているアパートがあります。
満室ならそのまま経営したほうがよさそうな気がしますが、なぜ売りに出されているのでしょうか。
満室のまま売りに出されている理由は、売るときに”見栄えがいいから”という理由です。虚無の内容を売り出し情報に掲載することはできませんので、何かしらのキャンペーンや割引などで一時的に入居者を集め、良い物件を演出することで買い手を早く見つけるという手法なのです。
不動産選びは見るべきポイントを抑えて置かないと、不良物件を掴まされる恐れがあるので注意が必要です。
中古アパート物件の選び方
中古アパート物件選びは、抑えておくべきポイントはいくつかありますが、重要なポイントを3つピックアップしました。
長期ローンを組める物件
アパートの購入は大きな金額が必要になりますので、不動産投資のローンを組まなければならないケースが多々あります。中古アパートは長期ローンが組みにくい点は把握しておきましょう。
築年数が物件の耐用年数を超えている
金融機関は物件そのものにどの程度の資産価値があるのか、入念に調査のうえ融資を決定します。物件にはそれぞれ法定耐用年数が決められており、この年数によって融資の内容が変わってくるのです。
物件ごとの耐用年数は以下の通りです。
構造 | 年数 |
---|---|
軽量鉄骨 | 19年 |
木造 | 22年 |
鉄骨造 | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
軽量鉄骨や木造アパートは耐用年数が短いので、中古の場合長いローンが組みにくい点に注意が必要です。
入居状況の確認
利回りがよく、立地のいい物件でも空室率が高い物件は注意が必要です。
空室が多いのはそれなりの理由があるはずなので、購入を検討する場合は空室の原因を特定しましょう。ポータルサイトの年間家賃収入は空室がない前提で表示されています。
家賃と利回りの関係と周辺立地の相場確認のため、資料請求の時に家賃表も確認し、家賃の妥当性も確認しておきましょう。
入居者の状況や契約内容の確認
現状の入居者の中で、家賃滞納が続いていて回収が難しい人がいないか確認しておきましょう。
家賃保証会社を使っている場合はよいのですが、昔からの入居者の中には、家賃保証会社を介していない場合もあります。滞納があっても家賃回収ができれば良いのですが、回収できない場合は、強制退去となり裁判を起こさなくてはいけない場合もあります。
このような入居者情報を取得するには、仲介会社や管理会社に問い合わせると、ある程度は教えてもらえます。
長期運用と利回りのどちらをとるか
アパート経営するなら、
・利回りは少ないながらも長期運用したい場合は新築アパート
・良い物件を見つけ出し、中古でも限定的な収益を狙いたい場合は中古アパート
という選択肢になります。
中古、新築を選ぶにあたって他にも様々な要因が絡んできますが、大筋では運用期間によって決めるのが良いです。
不動産投資を検討している方は、まずセミナーで情報収集しましょう。セミナーでは、成功例だけではなく、失敗事例も教えてもらうことができます。始める前に失敗の原因を知っておくことはとても重要なことですので、積極的にセミナーを活用しましょう。
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