サラリーマンの被害者が続出している不動産投資詐欺の手口とは

「高利回りが期待できると説明を受けたけど、実際は違った…」「投資用で購入した不動産をクーリングオフしたいけどできない…」などの不動産投資に関する詐欺トラブルが増えています。このようなトラブルを回避するためには、どのような手口の詐欺なのか把握することが大切です。

ここでは、不動産投資詐欺の手口などについて分かりやすく解説します。この記事を読めば、不動産投資詐欺に関する知識が身につくはずです。

不動産投資詐欺の被害に遭う人の特徴

不動産投資詐欺の標的になりやすい人が存在します。それは、どのような人なのでしょうか?ここでは、不動産投資詐欺に遭う人の特徴をご紹介します。

大企業のサラリーマン

大企業のサラリーマンなど年収が高く勤務先が安定している人は、金融機関からの融資が受けやすいため、不動産詐欺業者からターゲットにされやすいです。

30代・40代の独身者

単身世帯の30代・40代の独身者は、親の介護や自分の老後に対して「自分自身でどうにかしなければいけない」という意欲を強く持っているため、資産運用に対して意欲的な人が多いです。このような人も不動産投資詐欺のターゲットにされやすいです。

不動産投資詐欺の営業トーク5選


不動産投資詐欺には注意しなければいけませんが、実際にどのような手口で行われるのでしょうか?ここでは、不動産投資詐欺の営業トークをご紹介します。

1.不動産投資は節税効果が高いです

不動産投資は節税効果が期待できると一般的に言われます。しかし、これは、法人化して飲食代や宿泊費を経費にしたり、損金を繰り越したりして課税所得額を下げて、所得税や住民税を下げることを意味します。

当然ながら、優良物件で多くの家賃収入が得られれば、その分、多くの税金を支払わなければいけなくなることを把握しておきましょう。節税効果が見込めると聞いたのに、多額の税金を納めなければいけない場合もあるため注意が必要です。

2.不動産投資は必ず年金対策になります

節税と同じで良くある誘い文句が「老後のために不労所得を稼ぎましょう」という年金対策への勧誘です。現在の日本では、年金受給年齢の引き上げや支給額の減額など、将来受給できる年金に期待できない状態です。そのような背景を逆手にとって、老後の年金対策になると営業をかけてくるのです。

しかし、定年になった頃には不動産投資用物件も老朽化していき、必ずしも入居者が見つかる保証はありません。また、修繕費や固定資産税などもかかるため、結果的に赤字になることもあります。そのため、必ず年金対策になるという甘い言葉には気をつけましょう。

3.不動産投資は保険代わりになります

「掛け捨ての保険に加入するよりも、不動産を購入した方がお得です」という誘い文句もあります。実際に、不動産を購入する場合は、団体信用生命保険への加入が義務付けられているため、オーナーが死亡または高度障害になった場合は、住宅ローンの残債がゼロになります。

しかし、死亡や高度障害にならなければ、不動産事業を運営しなければいけません。運営には管理費や修繕費、固定資産税などの経費や労力がかかるため、保険代わりと例えるのは、おかしいかもしれません。

4.高利回りの不動産を購入すれば儲かります

高利回り過ぎる物件は、何らかの問題があることが多いです。高利回りでも、それ以上に経費がかかったり、入居者が埋まらなかったりする場合もあります。悪徳な不動産会社では、想定家賃を高く設定して、高利回りに見せている場合もあるので注意しましょう。

5.クーリングオフ制度があるので安心です

「クーリングオフ制度が利用できるから、不安なことが出た場合は、その期間中に契約を解除すればいい」と勧められることもあると思いますが、簡単に信用してはいけません。

クーリングオフ精度は、相手が宅建業者の事務所以外での契約で適用されるもので、宅建業者の事務所で契約をしたものに関しては適用されないので注意しなければいけません。

これはNG確定!不動産投資詐欺の3つの手口

これまで、不動産投資詐欺の営業トークを紹介してきましたが、手口に関しても把握しておきましょう。

1.将来必ず値上がりすると断言する

「この物件は、将来値上がりが期待できる物件です」と物件を紹介されることもありますが、値上がりする保証はどこにもないのです。

また、地価が上昇すれば固定資産税の上昇にもつながることを考慮しなければいけませんし、入居者トラブルによって事故物件になれば、物件価値は大幅に下がってしまいます。このようなリスクがあるため、値上がりすると断言している業者には注意が必要です。

2.家賃保証を付ければ一生安心だと断言する

サブリースの家賃保証を謳う誘い文句にも注意してください。空室でもサブリース会社から一定金額が支払われるため、安心できる仕組みと思うかもしれません。

しかし、契約開始当初の家賃保証額が継続して支払われることはなく、経年劣化による賃料改定が何度も行われて、家賃は下がっていく一方です。そのため、生涯を通して家賃保証があるわけではないことを把握しておきましょう。

3.何度もしつこく勧誘したり即日の決断を迫ってくる

悪質かつ強引な業者も多く存在します。典型的なケースとしては、何度もしつこく勧誘してくるというシンプルな手口による被害が後を絶ちません。
また、「今日契約すれば◯十万円値引きします。さぁ!いま決めるのがおすすめですよ!」と即日の決断を煽るのも、詐欺ではないかな?と疑うポイントとなります。

このような業者に遭遇した場合、意思の強い人であれば、キッパリ断わることができますが、気が弱い人であれば「一度だけなら聞いてみよう」と不動産投資の話に乗ってしまいやすいので注意が必要です。

優良不動産会社を見極める3つのポイント

不動産投資詐欺の被害に遭わないためにも、優良不動産会社かどうか見極めなければいけません。ここでは、優良不動産会社を見極めるポイントをご紹介します。

1.デメリットも含めて説明してくる

不動産投資には、メリットもありますがデメリットもあります。例えば、火災保険や管理費など見落としがちな経費がかかることや、築年数の経過とともに入居率が下がることなど、購入前に事前に知っておきたい情報があります。このようなデメリットも丁寧に教えてくれるかどうかは重要なポイントです。

2.国土交通省の検索システムに掲載されている

国土交通省の「建設業・宅建業者等企業情報検索システム」には、国土交通大臣と都道府県知事が許可した不動産業者の情報が掲載されています。

これらの情報は月2回の頻度で更新されていて、問題を起こすと免許の取り消しとなり掲載情報が消されてしまいます。そのため、トラブルを起こしていない不動産業者か検索して調べることができるのです。

3.業界団体に加盟している

公益社団法人全国宅地建物取引業協会などの業界団体に加盟している不動産業者は、実態がハッキリしているため信頼しやすいです。

これらの団体は保証協会制度が成り立っていて、加盟することで開業時に供託金が少なくて済むようになっています。もし、何かトラブルが発生した場合も団体に相談窓口が設置されているため、安心できるでしょう。

不動産投資詐欺被害の3つの防止方法

不動産投資詐欺被害を防止するためには、どうすれば良いのでしょうか?ここでは、詐欺被害の防止方法をご紹介します。

1.しつこい営業電話には出ない

何度もしつこく電話をかけて、営業しなければいけない物件に優良物件はありません。優良物件はそんな営業をしなくても勝手に売れていきます。しつこく電話で営業してくるのは、他人が購入しない物件を不動産知識がない人に売るためにかけているのです。

2.不動産投資に関する知識を身に付ける

不動産知識がなければ、不動産会社の提案を鵜呑みにするしかありません。おかしなポイントがあっても、知識がなければ気づくこともできません。

そのため、不動産会社に勧められるまま、失敗物件を購入してしまう可能性もあります。このような事態を避けるためにも、不動産投資の知識を身につけましょう。

3.相談できる担当者を見つける

不動産投資を始めたいと思ったときに、相談できる担当者を見つけておくと安心できるでしょう。信頼できる不動産会社や担当者との関係を築いておけば、粗悪な物件を薦められることはありません。また、自分の状況や属性に見合う物件を提案してもらえるでしょう。

不動産投資詐欺被害に遭った場合の相談窓口

不動産投資詐欺に遭遇した場合は、被害を最小限に抑えるためにも早めに相談をしましょう。主に相談窓口は、次のような場所があります。

消費生活センター

消費生活センターは、消費者と事業者の取引で発生したトラブルを解決するための相談窓口です。相談は無料で、個人情報などの秘密も厳守されるため、安心してご利用していただけます。また、過去の相談事例や対処法など関連情報も提供していたり、詐欺に対する注意喚起も呼びかけたりしています。

免許行政庁

強引な電話勧誘やクーリングオフ期間中の違約金の発生など、宅建業法で禁止されている行為に遭った場合、国土交通省管轄の免許行政庁に相談ができます。

弁護士

依頼費用が発生してしまいますが、多額の投資資金が盗まれたなど被害が大きく出てしまう場合は、法律の専門家である弁護士に相談をしてみてください。

弁護士は法律の専門家ですが、得意分野や得意分野が異なります。そのため、不動産分野を得意とする弁護士に相談してみてください。

宅建協会

宅建協会は、全国宅地建物取引業保証協会や不動産保証協会が運営する公的機関です。不動産投資詐欺で被害が出てしまった場合は、最大1,000万円が弁済金として返金される可能性があります。

1つの悪徳業者に対して、被害者が複数人いる場合は先着順となり、確実に返金される保証はありませんが、返金される可能性もあるため、ダメ元で相談をしてみてください。

うまい話に乗せられず、自分自身で判断できる知識を養おう

この記事では、不動産投資詐欺の良くある手口について解説しました。プロに相談をすれば安心できると思いがちですが、業者の中には悪徳業者も存在するため、業者に丸投げをするのではなくて、自分自身でも投資に関する知識を身に付けておくことが大切です。もし、不動産投資詐欺の被害に巻き込まれてしまった場合は、早急に相談窓口に相談してみてください。

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