マンション投資でも、お手頃な価格で購入できる中古マンションが人気です。
不動産価格には定価は存在せず、市場に出回っている中古物件価格は売主の希望価格となっています。
そのため、お得な中古物件も存在し、このような物件を賢く購入できれば、高い利回りを実現することができるのです。
このように魅力的な中古マンション投資ですが注意点もあります。不動産投資のリスクや注意点を把握できているかが、投資の成否を左右します。そのため、正しい知識を身につけておきましょう。
この記事では、中古マンション投資のリスクと注意点について分かりやすく解説します。
目次
中古マンション投資で注意すべきリスク
まずは、中古マンション投資で注意すべきリスクをご紹介します。
1.空室
中古マンション投資を始めて、必ず入居者が見つかる保証はありません。貸借人が退去した場合、次の入居者が決まるまで、数か月も空室になることは多いです。空室期間が伸びると、家賃収入が得られずに、当初の事業計画に狂いが生じてしまいます。
また、不動産所有をしている限り、不動産管理費や修繕費や税金は支払わなければいけません。そのため、収入よりも経費が上回ってしまい、赤字経営になってしまうこともあるのです。実際に不動産投資で失敗しているオーナーも多くいます。このような事態を避けるためにも、空室リスクを想定した事業計画や慎重な物件選定をしましょう。
2.家賃下落
不動産投資は、物件の周辺環境の影響を受けます。周辺マンションの家賃相場に対して、設定賃料が高い場合は、次回更新時に家賃が大幅に下落することが予想されます。
ずっと、同額の家賃収入が得られるのは稀です。建物は経年劣化と共に、家賃は下落していくものです。そのため、投資物件を選ぶ場合は、同様の間取り・立地・築年数の賃料を確認して、家賃下落リスクを加味した事業計画を立てることで失敗を防止できます。
3.設備故障
マンションの老朽化に伴い、設備の突発的な故障が発生することもあります。「エアコンが動かなくなった」「水道管が破裂してしまった」などの突発的な故障の修繕費用は、想像以上に高いです。このような突発的な修繕費は、賃貸経営の大きな打撃となるはずです。そのため、このような突発的な設備故障に備えて、運営資金を蓄えておきましょう。
4.不動産価格の下落
不動産市況がありますが、2000年以降、不動産価格は少しずつ上昇しておりミニバブル期の価格を上回る水準まで到達しています。このような物件を購入後に、バブルがはじける可能性もゼロではありません。
土地仕入価格が高ければ、その分の利回りの低下を招きます。そのため、不動産市況に目を通しながら、不動産投資を始めるべきなのか判断しましょう。
5.自然災害による倒壊・損傷
日本は災害大国として知られていますが、暴風・豪雪・洪水などの自然災害による被害が増えています。そのため、自然災害による建物の倒壊・損傷も見据えておきましょう。
中古マンション投資をはじめる際に、必要最低限としては、昭和58年以降に建てられた新耐震基準の物件を購入するようにしてみてください。新耐震基準前に建てられた物件は入居者にも敬遠されるため、築年数は必ず目を通しましょう。
中古マンションに投資する際の注意点
次に、中古マンション投資を始める場合の注意点について解説します。
新耐震基準の物件を選ぶ
中古マンションで、築年数が古い物件は震災による損傷・倒壊の危険性が高まります。そのため、新耐震基準の物件を選びましょう。新耐震基準の物件は、昭和58年以降に建築された建物のことをいいます。
修繕費を用意しておく
新築マンションは、2000年に施行された「住宅品質確保促進法」によって、10年間は基本構造部分の瑕疵担保責任が保証されています。そのため、10年以内に物件の瑕疵を見つけた場合は、無償工事が受けられるのです。その一方で、中古マンションの場合は、物件の瑕疵を自分で補修しなければいけません。
管理組合の評判を確認しておく
マンションの管理組合では、大規模修繕に向けて修繕積立金を毎月回収しています。しかし、大規模修繕に向けた修繕積立金が足りないところも多いです。資金が足りない場合は、住戸ごとに一時期を支払う方法や管理組合で借り入れて支払います。また、決議できずに保留になってしまうこともありますが、大抵が保留になってしまうのです。
マンションの資産価値を維持するためにも、計画的な修繕は大切です。そのため、管理組合の評判を確認してください。
投資物件の内覧見学をする
投資物件を利回りだけで判断する人がいますが、物件の内覧見学は必ずしてください。外観・内装をはじめ、マンション内の空室率を確認したり、共有部の管理状況を確認してみてください。
また、ファミリー向けマンションを検討している方は、昼間だけでなく夜にも確認してみてください。そうすることで、住民の属性や騒音トラブルの有無を確認できます。物件選びは、不動産投資の成否を左右するため、必ずご自身で行いましょう。
不動産投資の専門家に相談する
中古マンション投資は、物件選定をする際にも市場調査を実施したり、重要事項報告書で過去の履歴確認をしたりしなければいけません。これらの調査を忘れてしまうと、投資リスクは跳ね上がります。
しかし、初めて不動産投資を始める方は分からないことばかりでしょう。そのため、1人で投資を始めるのではなくて、不動産投資の専門家に相談するようにしてください。
また、信頼できる専門家に相談をすれば安心することができますが、不動産投資詐欺も増えているので注意しなければいけません。そのため、不動産投資セミナーや書籍などで、自分自身でも不動産投資に関する知識を深めておくと安心できます。近頃は、インターネットでも勉強できます。
参考:国土交通省から消費者の皆さんへのお知らせ・注意喚起(マンションの悪質勧誘・訪問、アンケート調査等)
不動産投資リスクを想定しておく
投資物件は築年数に応じて経年劣化していきます。設備や仕様が古くなれば、入居者から敬遠されてしまうため、定期的な修繕は欠かせません。また、突発的な修繕が必要になることもあります。
さらに、不動産投資の空室率は、周辺環境の影響も受けます。投資物件の周辺に新しいマンションが建築された場合などは、競合物件の家賃相場に合わせて、家賃を下げなければいけません。
このようなリスクが発生するので、理想通りの賃貸経営は想像以上に難しいです。家賃収入より経費の負担が大きくなると、不動産投資も失敗に終わってしまいます。そのため、不動産投資の事業計画を立てる場合は、あらゆるリスクを想定した事業計画を立ててください。
まとめ
この記事では、中古マンション投資を始める際に考慮したい要点と注意点について解説しました。不動産投資はリスクを踏まえた運用が成否を左右します。
投資物件を購入する際は、不動産市況・周辺環境調査・物件調査を忘れずにしてみてください。外観・内覧だけではなく、住民の属性や周辺環境の確認も忘れてはいけません。
また、不動産投資には、さまざまなリスクがあります。そのため、事業計画書を立てる場合は慎重に行ってください。不動産投資の専門家に相談することをおすすめしますが、全てを丸投げしておまかせにするのは危険です。
自分自身でも知識を身に付けておくことで、的確な判断が行えるようになります。そのため、中古マンション投資を検討している方は、不動産投資セミナーで知識を深めましょう。