これから、不動産投資を行って不労所得を得たいと漠然と考えている方もいるでしょう。しかし、不動産投資には、さまざまな方法があることをご存知でしたか?
不動産投資の種類や方法を深く知らずに始めてしまうと、失敗するリスクが高くなってしまう恐れがありあます。それぞれの投資方法の成功しやすいポイント、注意すべきポイントを把握した上で決断をしましょう。
この記事では、各不動産投資の良い点、リスクとなる点について分かりやすく解説します。これから不動産投資を始めようとしている方は、どの投資方法が自分に合っているかがわかりますので、この記事を参考にしてみてください。
目次
不動産投資の種類(1):区分マンション投資
まずは、区分マンション投資の成功しやすいポイントと注意するポイントについて解説します。
成功しやすいポイント
区分マンションは少額の資金で始めることができ、複数所有することによってリスク分散できることが成功しやすい点です。一棟投資の場合は、震災時に倒壊すると大きな損失を被ることになります。しかし、複数の区分マンションを所有しておけばリスク分散ができます。
注意するポイント
区分マンションは、土地の所有分がほぼないため、出口戦略を考えるのが難しいです。また、ホームインスペクションなどで構造を確認しなければ、購入後に修繕しなければいけなくなります。また、管理費・修繕費を支払わなければいけません。
向いている人
区分マンションに向いている人は、少額の資金で不動産投資を始めたい方です。また、不動産管理も委託したいと思っている不動産初心者の方におすすめの不動産投資方法となります。
不動産投資の種類(2):一棟投資
次に、一棟投資の成功しやすいポイント・注意するポイントについて解説します。
成功しやすいポイント
一棟投資は、区分マンション投資と比較すると利回りが高いです。健美家の「収益物件 市場動向 四半期レポート」によると、区分マンションの利回りが7.54%だったのに対して、一棟マンションの利回りは8.37%。そのため、区分マンション方法と比較して家賃収入が大きいです。また、一棟投資であれば、管理組合に加入していないため、運営の自由度が高くなります。
注意するポイント
一棟投資を始めるには、多額の資金が必要です。一棟アパートなら数千万円以上、一棟マンションなら数億円以上が必要です。また、一棟投資の規模になるとフルローンを組むことが難しくなります。そのため、自己資金を用意しなければ始めることができません。
向いている人
一棟投資が向いている人は、自己資金に余裕がある方です。節税目的や老後を見据えて、不労所得を得たいという人が一棟投資を始めます。しかし、一棟投資は収入ゼロになるリスクが小さい反面で、失敗したときのリスクも大きい不動産投資方法です。そのため、自己資金に余裕がある状態で始めるようにしましょう。
不動産投資の種類(3):戸建投資
次に、戸建投資の成功しやすいポイント・注意するポイントについて解説します。
成功しやすいポイント
建物も土地も自分の所有物となる戸建て物件は、自由にカスタマイズすることができます。アパート経営の場合は、入居者の都合を考慮してカスタマイズしなければいけませんが、戸建投資は配慮しなくても構いません。
また、戸建物件を借りる入居者はファミリー層が多いため、郊外でも需要があります。「犬を飼いたい」「駐車場スペースが2台欲しい」「子どもを自由に遊ばせたい」などの入居者のニーズに応えられる物件は数少ないため、入居者募集がしやすいです。また、出口戦略も立てやすいことが戸建投資の魅力となっています。
注意するポイント
戸建投資はリスクの分散ができません。入居率が0もしくは100となるため、入居者が退去した場合は、次の入居者が見つかるまで家賃収入が得られません。また、退去後にはメンテナンスをしなければいけません。戸建投資の場合は、退去時の費用が割高になりがちなことがリスクとなる所です。
向いている人
戸建物件は、賃貸市場で希少性があるため、不動産投資の経験がない方でも比較的簡単に経営が行えます。また、1戸の物件管理で住むため不動産管理も楽です。高利回りを実現するのは難しいですが、不動産管理が楽な投資方法をお探しの方に向いている不動産投資方法です。
不動産投資の種類(4):駐車場経営
次に、駐車場経営の成功しやすいポイント・注意するポイントについて解説します。
成功しやすいポイント
相続した空き地の活用方法に悩んでおり、初期費用が用意できない方でも駐車場経営が始められます。空き地に賃貸物件を建てる場合は、一定以上の広さの土地が必要です。
しかし、駐車場経営は、土地の広さの影響を受けにくいです。また、空き地の相続を検討している場合でも、駐車場経営であれば簡単に辞められて、転用しやすいというメリットもあります。
注意するポイント
空き地に賃貸物件を建てる場合は「宅地」として扱われて、固定資産税や都市計画税の優遇措置が適用されます。
しかし、空き地で駐車場経営を行う場合は「宅地」として扱われません。そのため、優遇措置が適用されずに固定資産税や都市計画税の負担が大きくなります。
また、駐車場は空き地があれば簡単に始められますが、賃貸経営のような高利回りを実現することは難しいです。
向いている人
小さな土地を所有しており、アパートや戸建てを建てることができないと悩んでいる人に駐車場経営はおすすめです。駐車場経営であれば、狭い土地や制約のある土地でも有効活用することができるため、土地の活用方法に悩んでいる方におすすめです。
不動産投資の種類(5):空き家投資
次に、空き家投資の成功しやすいポイント・注意するポイントについて解説します。
成功しやすいポイント
空き家は購入者が見つからずに放置されている物件のため、基本的に低価格で購入することが可能です。また、政府は「空き家等対策の推進に関する特別措置法」を施行し、空き家除去・改修・取得時に対する補助金を支給しています。これらの補助金を受ければ、少ない初期費用でも空き家投資を始められることがメリットです。
また、家賃が安い戸建物件は賃貸市場に出回っていないので、競合物件も少なく高い利回りを実現することができます。
注意するポイント
空き家投資は、木造住宅の耐用年数(減価償却年数)を超えているため、金融機関の融資が受けられません。そのため、空き家投資の初期費用は現金で用意する必要があります。
また、築古物件は欠陥が見つかりやすく、定期的に修繕していかなければいけません。そのため、物件購入前にホームインスペクターなどの専門家に構造を確認してもらってください。
向いている人
空き家投資が向いている人は、少ない初期費用で高リターンを得たい人です。アパートやマンションと同等の家賃で戸建てを貸し出すことができるため、競合物件に当たることが少ないです。
さらに、空き家物件は好立地な場所にあることもあり、このような物件で賃貸経営を始めれば、10%以上の利回りも夢ではありません。また、空き家率の高さは社会問題としても取り上げられているため、社会貢献したい人にも向いている不動産投資です。
不動産投資の種類(6):民泊
次に、民泊の成功しやすいポイント・注意するポイントについて解説します。
成功しやすいポイント
政府は、観光先進国への新たな国づくりに向けて「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定して、訪日外国人旅行者を4,000万人に増やそうと計画しています。
訪日外国人の旅行者が増えると宿泊施設不足が問題視されており、民泊の需要が伸びているのです。このような需要に応えることができるのが民泊の最大のメリットです。また、空き家を有効活用すれば、少ない初期費用で民泊が始められるという点も魅力となっています。
注意するポイント
基本的に、民泊の需要があるのは主要エリアの都心部です。訪日外国人旅行者は都心部に集まるため、宿泊施設が慢性的に不足しています。都心部で民泊を始めると稼働率は高くなります。しかし、地方都市や人気のない都市で民泊を始めても需要が見込めません。
また、民泊は訪日外国人旅行者に部屋を貸し出しますが、マナーを守ってくれるとは限りません。トイレの設備が壊されたり、部屋を汚されてしまうこともあります。
向いている人
民泊の物件紹介や問い合わせは、多言語で行われます。そのため、英語が話せるオーナーだと訪日外国人旅行者も安心できるでしょう。
また、留学経験等がある人であれば、他国の文化などについても理解があるため、安心して民泊物件を貸し出すことができるはずです。このように、訪日外国人旅行者とコミュニケーションが取れる人が民泊に向いています。
不動産投資の種類(7):サービス付き高齢者住宅
参考:総務省統計局『高齢者の人口』
次に、サービス付き高齢者住宅の成功しやすいポイント・注意するポイントをご紹介します。
成功しやすいポイント
サービス付き高齢者住宅を運営するためには、基本的には特別な許可は必要ありません。老人ホームやデイサービスを利用する必要のない健康的な高齢者向けの住宅のため、特別な知識がなくても経営できます。総務省統計局のデータでは、4人に1人が65歳以上になる時代を迎えることが明らかとなっています。
日本は海外と比較しても、サービス付き高齢者住宅が少ないため、運営すれば、高い需要が見込めるでしょう。また、政府の政策でもあるため、補助金も受けられます。
注意するポイント
サービス付き高齢者住宅の面積は25㎡以上でなければいけません。そのため、通常の賃貸物件と比較すると、広い敷地が必要になります。このような敷地を見つけるのは難しく、価格も高いです。実際に、土地代の負担が重くのしかかり、損益分岐点を達していないサービス付き高齢者住宅も多いです。
向いている人
サービス付き高齢者住宅は、少子高齢化社会を迎えるに当たり注目されています。政府は、2025年までに高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合を約4%にする目標が立てられています。
そのため、不動産投資を通じて社会貢献したいという方に向いているでしょう。また、サービス付き高齢者住宅は広い敷地が必要なため、土地所有者の方に向いています。
不動産投資の種類(8):シェアハウス
次に、シェアハウスの成功しやすいポイント・注意するポイントについてご紹介します。
成功しやすいポイント
シェアハウスを自主管理することで、個性を存分に出すことができます。例えば、シェアハウスのルールやインテリア、内装、入居者選びまで、全てを自主管理すれば、個性を出すことができます。付加価値を出しやすく、収益コントロールしやすいのが、シェアハウスの成功しやすいポイントです。
注意するポイント
シェアハウスの注意すべきポイントは、地域によって需要の偏りがあることです。また、シェアハウスには、さまざまな入居者がいるため、入居者トラブルも後が絶ちません。入居者全員が気持ち良く過ごせるための手助けをしなければいけないのです。
向いている人
シェアハウスの運営をするためには、入居者と円満な関係を築けるコミュニケーション能力が求められます。また、どのような入居者を募集するか企画力も必要とされるため、自主管理を楽しめる人が向いています。
自分の状況に合った投資方法をよく吟味して
今回は、各不動産投資方法の成功しやすいポイント・注意するポイントについて解説しました。さまざまな投資方法の中でも、不動産投資は多額の自己資金を要します。そのため、各不動産投資の特徴を把握した上で決断をしましょう。
また、不動産投資は投資物件を購入すれば、誰でも簡単に儲けられるという簡単なものではありません。失敗するリスクもあります。
そのため、不動産投資を始める場合は、書籍やセミナーに参加をして不動産投資に関する知識を身に付けましょう。
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