「相続した土地をどのように活用すればいいのか…」
「初期費用を出すことはできないのだけど、良い土地活用方法はないのか…」と悩む方は多いようです。
実際に、不労所得を得るために不動産投資を始めたいけれど、建物を建てるための建築費用が出せずに悩んでいる方もいます。
そのような方から、人気を集めている土地活用方法が、駐車場経営です。
初期費用が安く抑えられる駐車場経営ですが、実際に高い利回りを実現することができるのでしょうか?また、駐車場経営には、どのような方法があるのでしょうか?ここでは、駐車場経営について分かりやすく解説します。
目次
駐車場経営の3つの方法
駐車場経営には「月極駐車場」「コインパーキング」「タワーパーキング」の3つの方法があります。
1.月極駐車場
月極駐車場の代表的な運用方法として、3つ方法があげられます。
自分自身で運用 | 駐車場を借りる人の募集から賃料回収まで自分自身で行う方法 |
管理委託方式 | 借りる人の募集や賃料回収、トラブル時の対応を業者に委託する方法 |
一括借上方式 | 業者に一括借り上げしてもらう方法 |
・自分自身で運用
自分で駐車場経営を行えば、委託管理料が発生しないため運用コストを抑えられます。しかし、契約者がいない状態での募集業務は大変で、何もツテがない状態で、全てを自分自身でやるにはリスクが高いです。
・管理委託方式
管理手数料を支払うことにより、清掃やクレーム対応などを業者にお任せすることができます。この管理手数料は賃料収入の5%~10%が目安です。
しかし、管理委託をしても収益が出るとは限りません。収益がないのに、毎月手数料を払わなければいけない場合は、経営破綻してしまうので注意しましょう。
・一括借上方式
駐車場が満車や空きの状態に関わらず契約した業者から土地所有者に対して、毎月一定額が支払われます。駐車場の稼働状況で収入は変動しないことがメリットですが、管理委託費よりも高い手数料を支払わなければいけません。
2.コインパーキング
コインパーキング経営では、精算機・ロック装置・P看板・料金説明看板・防犯カメラ・照明・監視モニター・衝突防止パイプなどの設備が必要となります。
これらの設備を自分で手配して経営する方法と全ての管理を業者にお任せする方法があります。業者にお任せをすれば、毎月安定した収入を得ることができますが、自分で経営する場合より収益は低くなります。
3.タワーパーキング
タワー状の建物に、自動車を載せたパレットを吊りカゴのようにつないで回転させ、入出庫する駐車場です。小さな敷地面積でも運営できるため、市街地で設置することが多いです。
また、平面駐車場と異なり、建物の階数を増やすことで、駐車可能台数を増やせるので収入アップも見込めます。
しかし、タワーパーキングは建築物扱いになるため、建築基準法が適用されるため、用途制限によって設置できないことがあるので注意しましょう。また、建築費や設備費がかかります。
土地活用で駐車場経営が選ばれる理由
所有している土地で駐車場経営ができることは理解して頂けたと思いますが、近頃は、駐車場経営する人が増えています。なぜ、駐車場経営が選ばれるのでしょうか?ここでは、駐車場経営が選ばれる理由について解説します。
初期コストが安い
駐車場経営は、運営をサポートしてくれる業者と契約するだけです。月極駐車場は、設備も必要ないため、初期費用をかけずに委託費用のみで駐車場経営を始めることもできます。
形態・規模で経営するかによって変わりますが、アスファルト舗装でも、約5,000円/㎡程度の費用となります。設備も高額なものではないため、融資を受けずに始められる人も多いでしょう。
災害リスクが少ない
賃貸経営の場合は、地震や火災などで倒壊したり焼失してしまう可能性もあります。しかし、駐車場経営の場合は、そのようなリスクはありません。
平面駐車場であれば、大地震による倒壊リスクも少なく、津波や火災などの際の大きな災害を受けづらいため、災害大国と呼ばれている日本では根強い人気を誇ります。
交通量が多い立地だと顧客が絶えない
交通量が多く駐車スペースの少ない地域では、顧客が絶えることはありません。とくに都心部は人気で、すぐに満車になります。タワーパーキングを設置すれば、回転数も上がるため、高収入が見込めるかもしれません。
メンテナンスが少なくて済む
賃貸経営の場合は、修繕費がかかります。しかし、駐車場は最小限の維持管理で続けられます。メンテナンスが少なくて済むため、初心者にとってもハードルの低い副業です。
駐車場経営の必要な維持管理作業は、基本的には設備のメンテナンスのみです。料金ゲートや精算機が故障した場合に修理をするか、新品に交換する必要があります。この程度であれば、少ない費用でメンテナンスを行うことができるでしょう。
駐車場経営をする際の注意点
土地を活用して駐車場経営をすれば収益を得ることができますが、注意しなければ駐車場経営も失敗に終わってしまいます。そのため、どのような点に注意すれば良いのかを、確認しておきましょう。
需要があるかを調査する
駐車場は、交通アクセスなどを確認して需要があるかどうかを見極めることが、成否を左右します。需要がある場所で駐車場経営をすれば、回転数を上げることができて、想像を上回る収益を得られることもあります。
交通量が多い場所に、タワーパーキングを設置して、高利回りを実現している方も多くいるので、必ず需要について調査してください。
収益が減ることも想定しておく
駐車場経営をした場合でも、契約者や利用者がいなくなれば、収益が減ってしまいます。そのため、想定していた収入に届かないことも多いです。
しかし、業者に支払う管理委託費や固定資産税や都市計画税は支払わなければいけないため、これらの経費が払えるように、収益が減ることを見込んで、駐車場経営を行いましょう。
節税効果が低いことを理解しておく
駐車場経営のデメリットは、税制上の優遇が少ないことです。賃貸経営をしている土地は「住宅用地」という扱いになるため、固定資産税や都市計画税の優遇措置が受けられます。
しかし、駐車場は「住宅用地」ではないため、優遇措置が適用されずに満額に課税されます。また、相続税の節税効果も見込めません。
将来は駐車場の利用者が減る
従来は、自家用車は生活の必需品でしたが、カーシェアリングが普及して、自動車の維持費は高額なため、自動車を所有しない人も増えてきました。
若者の自動車離れが進んでおり、都心であれば、電車で交通した方が便利という考えを持つ人も増えてきているのです。そのため、将来は、駐車場を利用する人が少なくなるかもしれません。
まとめ
土地活用の1つとして、駐車場経営があります。
初期費用を安く抑えられる駐車場経営は、手軽に始められる土地活用として人気です。また、交通量の溢れる場所で駐車場経営を行えば、高利回りを実現できます。
しかし、固定資産税が高いというデメリットがあります。また、若者の自動車離れが加速しているため、今後、駐車場の需要は減少していくとも言われているのです。
そのため、土地活用方法のセミナーに参加をして、土地活用方法の勉強をしてみてください。自分自身で知識を身に付けておくことで、最適な土地活用方法ができるようになるはずです。