不動産投資を検討している方であれば、資産総額10億円以上のメガ大家について一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
また、メガ大家に憧れている投資家も多くいると思います。
実際は、メガ大家の実態については理解されていないことが多く、不動産投資のプロと認識されていることが多いです。
しかし、正しく理解しておかなければ、メガ大家が主催する悪徳セミナーで騙されてしまうかもしれません。
今回はメガ大家について理解を深めましょう。この記事では、メガ大家の実態について分かりやすく解説します。
目次
メガ大家とは
世間では、所有物件の総額が10億円を超えるような不動産投資オーナーのことを「メガ大家」と呼びます。ただし、一口にメガ大家と呼んでも、持っている物件の時価総額や金融機関からの借入状況によって財務内容はそれぞれ異なります。
ポイントは出している利益額ではなくて、保有している不動産規模が基準になることが多いということです。
メガ大家が増えた理由
2009年頃から、金融機関が不動産融資をかなり積極的に行っており、2013年頃からは低金利政策と東京五輪開催決定が決まったことから不動産投資ブームの拡大が始まりました。
銀行の融資を受けやすい属性のサラリーマンや区分マンションなどの不動産投資をしていた主婦などの投資家が資産規模を膨らませて、メガ大家になる環境が整っていったのです。
メガ大家と普通の大家との違い
物件の種類や運用状況については大家ごとに異なりますが、保有物件の規模で判断されることが多くなってきています。
一般的な大家とメガ大家の大きな違いは、知識量の多さと行動力です。
並外れた勉強量と実行力から経験を多く積んで、結果的に多額の保有物件を持つメガ大家になっていったのです。
成功するメガ大家の不動産投資戦略
メガ大家として成功している投資家に憧れを抱く方が多いかもしれませんが、成功するメガ大家とはどのような人で、どのような不動産投資戦略を立てているかを確認していきましょう。
1.目標を具体的に立てる
成功しているメガ大家は、「お金持ちになりたい」など漠然とした目標を立てずに「月100万円の純利益を作ろう」など具体的な目標を立てています。具体的な目標を立てれば、そのためにやるべきことが明確になり、迅速に動くことができるのです。
2.積極的に情報収集する
成功するメガ大家は、専門知識の習得のチャレンジや不動産界隈の情報収集に余念がありません。インターネットで情報収集を行ったり、セミナーで積極的に勉強していたりします。
また、大家同士で密に繋がったり、不動産販売会社・不動産管理会社・税理士・金融機関とコミュニケーションを円滑に図り、正確な情報を早く入手することに長けています。
3.同一地域で物件購入する
投資物件を探す場合は、地域を絞り込んでいます。不動産投資は物件を購入して終わりではありません。不動産投資で成功するためには、管理会社に丸投げをせずに、自分自身でも管理することが大切になってきます。
そのため、物件購入する際は、自分の足で歩いて周辺環境を確かめたり、建物の状況を確認するようにしましょう。
4.法人化すべきタイミングを押さえる
個人の投資家が、不動産投資のために融資を受けられるのは、せいぜい3億円までが限界です。さらに融資を受けて、不動産投資の規模を拡大したいと思う大家は、個人から法人へと切り替えます。
しかし、法人化すれば簡単に融資が下りるようになるのかというと、そうではありません。実績をまとめて事業が成立することを金融機関にアピールして認めてもらう必要があります。
5.利益余剰金を増やす
成功しているメガ大家は、利益剰余金(キャッシュフロー)を増やすことを意識しています。そのため、運営費を定期的に見直して、きちんとキャッシュフローが残るかどうかシミュレーションしています。
6.元本返済を進める
融資を受けて不動産購入をする場合、ローン返済には「金利部分」と「元本返済部分」があります。借入期間を延ばせば、毎月の返済額は減りますので、キャッシュフローは増えますが、毎月の元本返済は少なくなり、支払う利息は増えていくのです。
反対に、借入期間を短くすれば、毎月の返済は増えるので、キャッシュフローは減りますが、毎月の元本返済は増えて支払う利息は減っていきます。そのため、成功しているメガ大家は積極的に元本返済を進めています。
メガ大家の実態を把握しよう
成功するメガ大家の特徴についてご紹介しました。なかには、総額10億円分の物件を所有するメガ大家に興味が湧いた方もいるのではないでしょうか?しかし、メガ大家の現実は、甘いものではありません。ここでは、メガ大家の実態について解説します。
物件が多い分、運営リスクを背負っている
総額10億円を超えるメガ大家はすごいと思いますが、空室率リスクや金利上昇リスクなど、不動産投資にまつわる運営リスクを多く背負っています。メガ大家も日々ストレスを感じているでしょう。
どれぐらいの資金を借り入れたかにもよりますが、10億円の借入金で金利1%上昇しただけで、賃貸経営は圧迫してしまいます。経営が上手く回らなくなり、経営破綻に陥るメガ大家もいます。
このような運営リスクがあることも踏まえた上で、不動産投資を行っているのです。
メガ大家の家賃収入は想像以上に儲からない
メガ大家は10億円の資金を運用して、莫大な収益を得ている印象を与えます。しかし、メガ大家の家賃収入は想像以上に儲かりません。
例えば、10億円の投資物件を購入した場合、利回りが7%であれば、年収7,000万円です。返済率は50%を超えることが多いため、満室状態の収入は3,500万円となります。
ここから、修繕費や管理費、固定資産税などを支払わなければいけないため、手元に残るのは2,500万円程度です。
このように、相場観を把握しておくことで悪質業者のセミナーなどに惑わされる心配がなくなります。
10億円の物件を運営するのは相当な覚悟が必要
メガ大家は総額10億円以上の物件を所有しており、多額の収益が見込める富裕層というイメージを持つ方もいますが、実際の収入は想像以上に少ないことがわかりました。また、不動産投資は必ず収益が出るわけではなく、空室リスクや金利リスク、災害リスクなどで損失も出ます。
なかには、経営破綻してしまう方もいるため、10億円の物件を運営するのは、相当な覚悟が必要です。
そのため、不動産投資を始めたいと考えている方はコツコツ投資が始められる、区分マンション投資や空き家投資を検討することをおすすめします。
これから不動産投資をする方は”コツコツ投資”から始めよう
この記事では、メガ大家の実態について解説しました。
資産10億円のメガ大家に憧れを感じてしまいますが、借入状況などによっては大きな負担になります。
また、不動産投資は必ずしも収益が得られるわけではないため、さまざまな運営リスクによって経営破綻を招いてしまう可能性もゼロではありません。このようなリスクがあるにも関わらず、メガ大家の収入は想像以上に低いという実態があります。
そのため、これから不動産投資を始める方は、最初からメガ大家を目指すのではなくて、区分マンションや空き家などの投資から始めてコツコツ投資を行いましょう。
「楽して稼げる」や「融資さえおりて物件を購入できれば誰でも成功できる」などの誤認識によって、不動産投資の事業経営が失敗で終わってしまうこともあります。そのような事態を回避するために、不動産投資を始める場合はセミナーなどで積極的に情報収集をしてください。
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