「不動産投資として良さそうな物件を見つけたけれど購入するべきなのか?」「物件を購入して高い利回りを得ることはできるのだろうか?」という疑問を抱えて悩んでいる方も多くいるでしょう。実際に、計算をしなければ不動産投資に失敗してしまいます。しかし、利益計算方法や購入予定物件の目利きができるようになれば、そのような心配は不要です。
ここでは、不動産投資物件の利益計算方法について分かりやすく解説します。この記事を読めば、検討している物件を購入するべきか見送るべきかが分かるようになるでしょう。
目次
不動産投資物件の利益計算方法(現金の場合)
購入予定物件を見つけたら、利益計算のシミュレーションをしましょう。はじめて不動産投資をする人は、現金購入が基本です。そのため、物件を現金で購入した場合のシミュレーションしていきましょう。
ここでは、現在4万円で賃貸しているオーナーチェンジ物件(370万円)の事例を参考にしてシミュレーションします。結論からお伝えすると、実質利回りが8.4%になるため、購入すべき物件であることがわかります。
1.表面利益を計算する
表面利回りの計算式は「表面利回り=年間賃料収入÷購入価格」です。
- 年間家賃収入:4万円×12ヵ月=48万円
- 表面利回り:48万円÷370万円=12.97%
2.年間経費を計算する
業面利益が計算できたら、次に年間経費を計算します。
- 管理費:3,500円×12ヵ月=4万2,000円
- 修繕積立金:4,000円×12ヵ月=4万8,000円
- 固定資産税と都市計画税:2万円
- PMフィー:48万円×5%=2万4,000円
- 保険料:1万円
- 空室率:48万円×5%=2万4,000円
- 合計:16万8,000円
【注意事項】※固定資産税と都市計画税は推定の金額を入れています。税額は場所や築年数によって変わります。※空室率やPMフィーは、年間賃料の5%と考えておきましょう。
3.実際の不動産所得を計算する
実際の不動産所得は「年間家賃収入-年間経費」で計算します。
- 不動産所得:48万円-16万8,000円=31万2,000円
- 月額手取り収入:31万2,000円÷12ヵ月=2万6,000円
4.実質利回りを計算する
最後に実質利回りを計算します。
- 実質利回り:31万2,000円÷370万円=8.4%
不動産投資物件の利益計算方法(不動産投資ローンの場合)
先程は、不動産投資物件を現金で購入する場合の利益計算方法をご紹介しました。しかし、不動産投資を検討しているサラリーマンの方の中には、一括で不動産投資物件を購入することができない人も多いはずです。そのため、次に不動産投資ローンを活用して、不動産投資物件を購入した場合の利益計算方法をご紹介します。
ここでは、現在4万円で賃貸しているオーナーチェンジ物件(370万円)を自己資金100万円で購入する事例を参考にしてシミュレーションします。自己資金利回りは9,39%と高くなりますが、空室が続いたり、大きな金額のリフォーム費用がかかって持ち出しになることもあるため、貯金をしておくことを忘れないようにすることが大切です。
1.表面利益を利回りする
表面利回りの計算式は「表面利回り=年間賃料収入÷購入価格」です。
- 年間家賃収入:4万円×12ヵ月=48万円
- 表面利回り:48万円÷370万円=12.97%
2.年間経費を計算する
表面利回りを計算したら、年間経費を計算します。
- 管理費:3,500円×12ヵ月=4万2,000円
- 修繕積立金:4,000円×12ヵ月=4万8,000円
- 固定資産税と都市計画税:2万円
- PMフィー:48万円×5%=2万4,000円
- 保険料:1万円
- 空室率:48万円×5%=2万4,000円
- ローンの支払い:21万8,069
- 合計:38万6,069円
【注意事項】※固定資産税と都市計画税は推定の金額を入れています。税額は場所や築年数によって変わります。※空室率やPMフィーは、年間賃料の5%と考えておきましょう。
3.実際の不動産所得を計算する
表面利益と年間経費を計算し終えたら、実際の不動産所得を計算します。
- 不動産所得:48万円-38万6,069円=9万3,931円
- 月額手取り収入:9万3,931円÷12ヵ月=7,828円
4.自己資金利回りを計算する
最後に、自己資金利回りを計算します。
- 実質利回り:9万3,931円÷100万円=9.39%
不動産投資物件で大切な現地調査のポイント
先程の利益計算の結果では、購入すべき不動産投資物件であることが判明しました。しかし、利回りだけで購入するかどうかを決定してしまうのは危険です。空室が続いてしまえば利回りは下がってしまいます。そのため、購入予定物件は、必ず現地に確認しに行くようにしましょう。
既に入居者がいるオーナーチェンジ物件の場合は、室内は確認できないため、外観を入念にチェックします。同じ築年数でも管理の行き届いているマンションとそうではないマンションでは、見かけに大きな差が出ます。キレイなマンションは売却するときもスムーズに売却できますが、荒れているマンションは、なかなか売却できない恐れがあります。そのため、必ず管理状況を確認しましょう。
不動産投資物件のチェックリスト
不動産投資物件初心者の方は、どのようなところをチェックすれば良いか分からないものです。そのため、チェックリストを作成しました。下記のチェックリストを参考にして、不動産担当者に質問してみてください。分からないことや気になることがあれば、恥ずかしがらずに担当者に質問することが大切です。
現在空室の物件を購入する場合は、部屋の中を見せてもらい、リフォーム状況がどうなっているか、どこか壊れているところがないかを確認しましょう。もし、十分にリフォームされていない場合には、リフォーム代を売買代金から差し引いてもらえるかどうかを交渉します。
チェックポイント | チェック内容 |
外壁のチェック | マンションの外壁がタイル張りの場合は、タイルが薄汚れていないか、剥がれていないかをチェックしましょう。 その一方で、モルタルの場合はヒビが入っていないか、汚れていないかをチェックします。 |
エントランスのチェック | エントランスの掃除が行き届いているか、ポストやエレベーターはキレイに清掃させているかチェックしましょう。 |
自転車置き場のチェック | 自転車置き場は整然と自転車が並んでいるか、マンション周辺が荒れていないかどうかをチェックしましょう。自転車置き場がズサンに管理されている状態では空室リスクがあがってしまいます。 |
廊下・階段部分のチェック | 廊下や階段等の掃除が行き届いているかチェックしましょう。 |
まとめ
不動産投資物件の利益計算は簡単です。現金で購入する場合よりも住宅ローンを活用した場合の方が、自己資金利回りが高く見えますが、空室リスクなどを考慮して、住宅ローンを完済できるように貯蓄しておくことが大切です。万が一のことに備えて、住宅ローンを活用して不動算投資を始める方は、貯蓄をするように心がけましょう。
また、実質利回りが高い物件でも、本当に計算通りに利益が得られる保証はありません。そのため、物件を購入する場合は、利回り率だけを参考にするのではなくて現地に確認しに行くようにしましょう。自分自身で利益計算と物件確認ができるようになれば、どの物件を購入すべきかが分かってくるはずです。ぜひ、さまざまな物件の利益計算をしてみてください。