不動産投資を始めるためには、まずマンションやアパートといった物件が必要です。しかし、これらの不動産を買うには数千万円〜数億円といった大きなお金がかかるため、自己資金でまかなうのは難しいですよね。
そこで、ほとんどの不動産投資家は銀行などの金融機関からのローンを利用して投資を始めます。ですが、2016年から始まったマイナス金利政策により、多くの不動産投資家は融資に通りづらくなった、と感じています。
この記事ではこれから不動産投資を始めたいと思っている人のために、不動産投資ローンに必要な条件について説明していきます。また自己資金なしでもフルローンで不動産投資は始められるのか?についても解説します。
ローンを借りにくくなっている環境ではありますが、条件に照らし合わせてご自分がローン審査に通るかどうかイメージしていただければと思います。
不動産投資ローンに通る条件
不動産投資ローンの審査において重要視されるのは、次の3点です。
- 物件の収益性
- 借主本人の自己資金
- 借主の属性
住宅ローンと異なり、収益など事業性が重視されるのは、不動産投資物件ならではです。基本的には、上記のような条件に基づいて融資額や金利なども設定されます。
なお、細かい審査基準はメガバンクや地方銀行、信用金庫などの金融機関によって異なります。この記事では一般的な審査基準について解説していきます。
1. 物件の収益性
不動産投資ローンの返済は毎月の家賃収入から充てられるため、審査対象の物件の収益性は最も重要視される条件です。「安定してお金を稼げる収益性が高い物件かどうか?」を金融機関が審査するのです。
物件の収益性を判断するポイントには、例えば次のような情報があります。
- 人口の多い都会にあるか
- 駅から近いなど需要があるか
- 部屋数が多く空室リスクを避けられそうか
- 構造は新しいか、築年数はどれくらいか
- 不動産の資産価値、担保価値は高いか
細かい審査基準は金融機関によって違いますが、物件の収益性を重視するのはどの機関でも同様です。物件の収益性は「投資が成功する可能性」でもあるので、収益性の観点でローン審査に落ちてしまったら、投資計画そのものを見直した方が良いでしょう。
2. 借主本人の自己資金
不動産投資ローンの返済は毎月の家賃収入から充てられますが、金融機関は「家賃収入が途絶えても、この人はローンの返済を続けれるか?」といった基準でも審査をします。
想定外に空室が多くなってしまったり、急にリフォームが必要になったりと、不動産投資は最初の計画どおりに進まないこともあります。このような場合にローンの返済が滞ると金融機関は困るので、自己資金も審査で見られるポイントとなります。そのため、既にある程度の自己資金を持っている人の方が、延滞されるリスクが低く、ローンの審査に通りやすいです。
なお、不動産投資を始めるにあたって必要とされる自己資金の目安は、物件の購入価格の1割から3割です。1億円の物件を購入する場合、1000万円から3000万円の自己資金を用意できると、不動産投資ローンに通りやすくなると考えられます。
3. 借主の属性
不動産投資は事業経営に似ているため、従来のローン審査では物件の収益性が特に重要視されてきました。しかし、最近は不動産投資が人気になってきていることなどを理由に、金融機関の審査が厳しくなってきており、個人の信用力や返済能力も評価される傾向にあるので注意しましょう。
具体的に紹介すると、
- 年収500万円以上
- 勤続年数3年以上
- 公務員や上場企業のサラリーマンだと有利
といった条件が挙げられます。住宅ローンと似たような基準で信用力が評価されるのです。
勤務先は簡単に変えられないと思いますが、年収や会社の勤続年数は努力によって満たせる融資条件なのではないでしょうか。
フルローンの審査の条件は厳しい?
フルローンとは、金融機関からの融資のみで物件を調達することです。自己資金や頭金が無くても不動産投資を始められるので、今の段階で資産が少ない人にとって魅力的です。
しかし、フルローンは融資の金額が大きくなるため、審査が厳しくなります。前述したような審査基準を非常に高い水準でクリアする必要があるのです。借主の年収が非常に高いなど有利な属性であればフルローンでも問題なく審査に通るかもしれませんが、そうでないケースではフルローンの条件は厳しいと言えます。
一般的には、物件価格の7割から9割をローンでまかない、残りの1割から3割を自己資金で支払います。ほのため物件選びの段階で、価格の1割程度を自己資金で負担できるか考えながら選ぶと良いでしょう。
フルローンは自己資金や頭金が無くて魅力的だが審査は厳しい。
まとめ
不動産投資ローンの審査に通る条件として、次の3つを確認しておきましょう。
- 物件の収益性
- 借主本人の自己資金
- 借主の属性
最近は、物件の購入費用の全額を融資で調達するフルローンの審査は厳しくなってきています。購入金額の1割程度は自己負担と考えて投資の計画を立てることをおすすめします。
過去に不動産投資ローンを借りた実績があり、順調に返済できている人は、次のローンも借り入れしやすくなります。最も大変な初回の審査を通過すれば、不動産投資のハードルは一気に下がるでしょう。