税金

家賃収入に税金はどれくらいかかる?税金4種類を解説

家賃収入の不労所得に憧れを抱くサラリーマンは少なくありません。老後の貯蓄額として2,000万円が必要だと発表されたため、老後の不労所得として不動産投資を考える方も増えてきました。しかし、家賃収入があった場合は、税金を支払う義務も発生するため注意しましょう。

ここでは、不動産収入を得た場合に支払う税金について分かりやすく解説します。この記事を読めば、家賃収入を得た際に支払うべき税金について詳しくなれるでしょう。

家賃収入の税金(1):所得税

不動産投資には、所得税がかかります。次のようなものを貸し付ける場合に所得税は発生します。

  1. 不動産(土地や貸家・アパートなどの建物)
  2. 不動産に設定されている権利(地上権・借地権など)
  3. 船舶や航空機

不動産所得の計算方法

不動産所得の金額は「総収入金額―必要経費」で計算します。所得税が正しく計算できるように、総収入金額と必要経費について覚えておきましょう。

総収入金額

不動産所得の総収入金額には、不動産を貸して受け取る賃貸収入の他に、次のようなものも含まれます。

  • 権利金、礼金、名義書換料、承諾料、頭金、更新料など
  • 敷金や保証金などのうち、返還を要しないもの
  • 共益費などの名目で受け取る電気代や水道代、清掃代など

総収入金額の計上時期は、定められた指定日となります。しかし、賃料収入に対して継続的な記帳に基づいて前受収益等の経理を行っているなど一定の要件に該当する場合には、貸付期間に対応する部分を収入として計上することができます。

必要経費

不動産所得の必要経費となるものは、下記のようのものをいいます。

1.租税公課 固定資産税、事業税、印紙税などの税金
2.修繕費 建物、備品などの修理費
3.減価償却費 建物などの固定資産を費用化した経費
4.保険料 火災保険料、損害保険料
5.借入金利子 貸付物件にかかる借入金の利息
6.管理費 不動産業者に支払う不動産管理料
7.広告宣伝費 入居者募集のための広告費用
8.青色事業専従者給与 生計を一緒にする親族に支払う給与
9.その他の経費 消耗品費、水道光熱費、通信費、交際費

不動産所得税の計算方法

所得税は、所得金額から所得控除の合計額を差し引いた金額に、それぞれの税率を乗じて計算した金額から住宅ローン控除等の税額控除を差し引いて計算します。

所得控除

納税者の個人的事情に応じて所得税の負担を調整するために、14種類の控除があります。

  1. 雑損控除:住宅や家財に災害等による損失を被った場合
  2. 医療費控除:高額な医療費を支出とした場合
  3. 社会保険料控除:健康保険料や年金保険料、介護保険料を支払った場合
  4. 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済等掛金を支払った場合
  5. 生命保険料控除:生命保険料や個人年金保険料、介護医療保険料を支払った場合
  6. 地震保険料控除:地震保険料を支払った場合
  7. 寄付金控除:国等に対して一定の寄付をした場合
  8. 障害者控除:自分や不要配偶者、扶養親族が障害者である場合
  9. 寡婦控除:配偶者と死別等して再婚していない人で一定の場合
  10. 勤労学生控除:所得の少ない一定の学生である場合
  11. 配偶者控除:一定の所得以下の配偶者がいる場合
  12. 配偶者特別控除:一定の所得以下の配偶者控除を受けられない配偶者がいる場合
  13. 扶養控除:一定の所得以下の扶養親族がある場合
  14. 基礎控除:誰もができる38万円の控除

所得税の税率

総合課税の税率は以下の通りとなっています。

所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円以上330万円以下 10%-97,500円
330万円以上695万円以下 20%-427,500円
695万円以上900万円以下 23%-636,000円
900万円以上1,800万円以下 33%-1,536,000円
1,800万円以上4,000万円以下 40%-2,796,000円
4,000万円以上 45%-4,796,000円

これに復興特別所得税が0.21%上乗せされます。

家賃収入の税金(2):住民税

都道府県民税と市町村民税を合わせて、個人住民税といいます。個人住民税は以下の5種類からなります。

種類 課税対象 税額
所得割 前年の所得金額 (前年の総所得金額等-所得控除額)×税率―税額控除額
均等割 所得金額に関わらず定額課税 東京都だと4,000円
利子割 預貯金の利子等 一律5%の分離課税
配当割 一定の上場株式等 特定配当等の額×5%の分離課税
株式等譲渡所得割 源泉徴収口座内の株式等の譲渡 源泉徴収口座内における上場株式等の譲渡による所得×5%の分離課税

住民税の支払方法

上記5種類の個人住民税のうち、利子割・配当割・株式等譲渡所得割については、支払いを受ける際に源泉徴収されるため、支払い時に課税関係が完結します。

残りの所得割・均等割は、給与所得者については6月から翌年5月までの毎月の給料から天引きされます。個人事業主の場合は、市町村から送付される納税通知書で年4回(6月・8月・10月・1月)に分けて納める形になるため覚えておきましょう。

また、住民税の基礎控除額が33万円となっているため、不動産所得金額が33万円以下であれば非課税対象になります。

家賃収入の税金(3):消費税

住宅・土地の貸付けに係る家賃等には消費税等はかかりません。不動産収入の中で消費税等がかかるのは、事業用不動産の貸付です。また、必要経費にも消費税の課税対象と非課税対象のものがあります。

1.租税公課 課税対象外
2.修繕費 課税対象
3.減価償却費 取得時に課税されるため、費用化される段階では課税されません
4.保険料 課税対象外
5.借入金利子 課税対象外
6.管理費 課税対象
7.広告宣伝費 課税対象
8.青色事業専従者給与 課税対象外
9.その他 消耗品費、水道光熱費、通信費、交際費などは基本的に課税対象となります。

しかし、お祝い金や香典等の対価性のない支払いには課税されません。

事業税の税額計算方法

消費税は、事業者が消費者から預かって、国と地方に税金を納めます。不動産賃貸業を行う場合、事業者に該当するため、消費税がかかる収入がある場合には申告して納める必要があります。下記のシミュレーションでは、540,000円-97,200円=442,800円の消費税を納めなればいけません。

年間収入(事業用不動産) 5,400,000円(消費税540,000円)
年間経費 2,532,000円(消費税97,200円)
1 租税公課 150,000円(消費税0円)
2 修繕費 108,000円(消費税10,800円)
3 減価償却費 300,000円(消費税0円)
4 保険料 80,000円(消費税0円)
5 借入金利子 70,000円(消費税0円)
6 管理費 270,000円(消費税27,000円)
7 広告宣伝費 432,000円(消費税43,200円)
8 専従者給与 960,000円(消費税0円)
9 その他の経費 162,000円(消費税16,200円)

※前々年度の収入が、1,000万円以下の場合は免税事業者となります。

家賃収入の税金(4):事業税

不動産を賃貸している場合は、個人事業税がかかることがあります。個人事業税は、個人が法律で定められた事業を営む場合に課税されます。法定業種は第1種から第3種までの3種類に分類されていて、業種によって税率が違うため注意しましょう。

法定業種の第1種事業の中に「不動産貸付業」「駐車場業」が入っています。これに認定された場合は、個人事業税を納める必要があります。

事業税の該当基準

次の基準に該当する場合は、事業税の対象となる不動産貸付業として認定されます。

種類・用途等 貸付件数等の認定要件
建物 住宅 一戸建 棟数が10以上
一戸建以外 室数が10以上
住宅以外 独立家屋 棟数が5以上
独立家屋以外 室数が10以上
土地 住宅用 契約件数が10以上または貸付総面積が2,000㎡以上
住宅用以外 契約件数が10以上
貸付している場合 各種の貸付けの総合計件数が10以上

事業税の税額計算方法

事業税は「(不動産収入―必要経費―事業主控除額290万円)×税率5%」で計算します。課税される対象は、所得税の不動産所得と同じです。

まとめ

不動産投資で家賃収入を得られても、税金がかかることを忘れてはいけません。家賃収入が入った場合は、所得税・住民税・消費税・事業税の対象となることがあります。納税義務が発生するため、どれぐらいの税金がかかるのか心配な方は、セミナー等に参加をして自分で計算ができるようになっておきましょう。

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