サラリーマンが不動産投資をするときの正しい節税術とは?

「不動産投資を始めたけれど、どうすれば節税できるのだろう?」と悩んでいる方は多いです。実際に、不動産投資における節税対策は安定的に家賃収入を得るのと同じぐらい大切なことになります。そのため、正しい節税対策を覚えておきましょう。

ここでは、投資用物件を購入する場合の不動産投資節税術をご紹介します。この記事を読めば、どのような手続きをすれば良いのかが明確に分かるようになるはずです。ぜひ、参考にしてみてください。

法人化して物件を購入する場合の不動産投資節税術

将来のための不労所得や、現状のお給料と別に副収入を得る目的で不動産投資を始める方が増えています。サラリーマンなどお勤めをされている方は給与所得が多ければ多い人ほど、不動産所得が生じると実質的な不動産所得に対する税率も高くなるため、法人化することによって節税効果が期待できます。

どのような節税効果が見込めるのでしょうか?ここでは、法人で物件を購入する場合の不動産投資節税術をご紹介します。

1.累進課税制度から逃れる

不動産所得以外の所得が多いサラリーマンの場合、全体の税率も高くなり、結果、家賃収入による利益に乗じる税率も比例して高税率となります。そこで、法人名義で物件を保有することによって、所得税の累進課税制度から逃れることが可能となり、すべての所得を分類することなく、単体で一定の税率が課税されるようになります。この税法の構造に着目した税率メリットは、法人で物件を所有することの最大のメリットです。

個人の場合、不動産購入から不動産売却までの所有期間の長さによって、売却時の税率が大きく変わりますが、法人は所有期間に関係なく、一定の税率となります。そのため、短期間保有の売却の場合は法人で所有する方が有利となり、長期間保有する場合は個人所有の方が節税効果は見込めるということになります。

2.損失の繰り越しをする

個人で不動産を所有していた場合に売却損が生じた場合、不動産売却損は他の所得と相殺できません。しかし、法人で所有していた物件の売却損は、他の家賃収入による利益との相殺が可能です。

また、すべての利益を合算してマイナスの所得金額(繰越欠損金)が生じた場合は、翌期以降に生じたプラスの所得金額と相殺が可能となります。個人の場合でも、繰越欠損金は翌年3年まで繰り越すことができますが、法人の場合は10年間繰り越せるため、高い節税効果が見込めます。

3.所得分散する

法人化をして不動産投資事業を行えば、所得分散ができます。不動産投資事業では、収益物件を購入して家賃収入を得ています。家賃収入を得るために人材を採用して、会計処理の帳簿記帳をしてもらったり、投資物件の共用部の掃除をしてもらったりするでしょう。このような作業を配偶者に手伝ってもらうことも多いにあります。

このように、配偶者に不動産賃貸業の業務に携わってもらう場合は、業務に従事している対価を給料として支払うことができるのです。この給料は経費扱いとなるため、世帯の所得を分散させることができて節税効果が見込めます。

4.生命保険を活用する

個人で生命保険料を支払った場合、支払金額によって最高4万円の所得控除額が得られます。具体的に説明すると、年間8万1円以上の保険料を支払った場合、生命保険料控除として4万円の控除が可能となるのです。もっと、突き詰めて説明すると、年間支払総額が100万円でも生命保険料控除額は4万円となります。支払った割には、控除金額が少ないと感じる方もいるでしょう。

法人の場合は、支払った生命保険料の最大100%が費用として計上できます。しかし、保険契約期間において、保険を解約した場合の解約返戻金は売上として計上としなければいけません。でも、支払う生命保険料が高ければ、法人化すれば高い節税効果が見込めます。

個人で物件を購入する場合の不動産投資節税術


法人で物件を購入する場合の不動産投資節税術について解説しましたが、個人で物件を購入しても節税することができます。どのような節税効果が見込めるのでしょうか?ここでは、個人で物件を購入する場合の不動産投資節税術をご紹介します。

1.青色申告制度を活用する

日本の税金の申告は、自らが税額を計算して納税する「申告納税制度」を採用しています。申告の必要がある人が、取引内容を帳簿に正しく記録して、簿記の原則に従って税額を計算すればするほど、算出された税額は精度を増して、国家の基盤である税収が確保されることになります。

しかし、全ての申告者が簿記の知識を持っているわけではありません。また、申告業務には労力がかかるため、面倒臭くて申告そのものを放棄してしまう人も出てきたりします。このような状況のため、税務署が考案したものが「青色申告制度」という制度です。

正しく帳簿作成して青色申告をした者に対しては、税制優遇するという制度内容になっています。そのため、節税対策をしたい場合は、青色申告制度を活用しましょう。この青色申告制度を活用するためには、事業開始時に税務所に「青色申告承認申請書」を提出しなければいけません。

メリット(1)青色申告特別控除

青色申告特別控除とは、個人の場合だけに適用されるメリットです。正規の簿記の原則による記帳を行い、期日までに損益計算書と貸借対照表を添付して確定申告を行えば、青色申告特別控除額65万円が控除されます。もし、期日内に対応できなくても青色申告特別控除額10万円が控除されるため、高い節税効果が見込めます。

※2020年分(2021年3月申告期限)の確定申告以降、控除額は55万円に変更になります。
引き続き65万円の青色申告特別控除を受けることも可能ですが、そのためには下記のいずれかを行う必要があります。

・e-Taxによる申告(電子申告)
・電子帳簿保存(税務署長の承認が必要)

メリット(2)青色事業専従者給与

個人の税金である所得税は、同居の親族に支払う給料は原則として費用として計上できないことになっています。しかし、個人の場合でも、事業的規模(5棟10室以上の形式基準もしくは実質基準をクリアしている青色申告者に限る)で、同居の親族に対して支払った給料について費用として認められる例外があります。事前に税務署に対して、青色事業専従者に関する届出書に給与額等を記載して届け出ることで費用計上が認められるようになります。

メリット(3)欠損金の繰越控除

欠損金とは、税務上の赤字といいます。法人の場合は翌年10年間欠損金を繰り越すことができると説明しましたが、個人の場合でも欠損金を3年間繰り越せます。しかし、給与所得を超えるマイナスの不動産所得が生じること自体あまりないので、個人の場合は欠損金の繰越控除は気にしなくても良いでしょう。

メリット(4)少額減価償却資産の特例

建物や建物付属設備のような支出額を一時の費用とせず、減価償却という手続きをとって費用化する資産を、減価償却資産といいます。不動産事業で使用するために購入する家具やエアコンなども、基本的には減価償却資産として取り扱わなければいけませんが、取得価額によって、一時の費用にすることが可能です。そのため、高い節税効果が見込めます。

減価償却資産の取得価額 費用処理 注意事項
10万円未満 全額一時の費用とすることが可能 使用可能期間が1年未満であること
10万円以上20万円未満 3年間で分割して費用とすることが可能 期中購入でも1/3を償却すること
30万円未満 全額一時の費用とすることが可能 中小企業者等のみ適用

まとめ

この記事では、不動産投資をする時に有効な節税術をご紹介しました。給与所得や不動産所得がどれぐらいになるかによって、法人で物件購入すべきか、個人で物件購入すべきかが変わります。

また、それぞれで物件を購入する場合は、どのような節税対策があるのかを把握しておくことによって、高い節税効果が見込めます。不動産投資には、さまざまな税金が負担としてのしかかるため、節税をして所得税や住民税は安く抑えましょう。

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