不動産投資ローン

不動産投資ローンと住宅ローンの違い

利回りが高くて人気のマンション投資などの不動産投資を始めるとき、ほとんどの人はローンを利用して始めます。不動産を買うには数千万〜数億円といった大きな金額が必要なので、自己資金だけで一括で購入できる人は稀です。したがって、メガバンクや地方銀行などの金融機関からローンを借りるのが不動産投資における大事なステップとなります。

不動産投資における「ローン」は、住宅ローンとは別物です。同じものだと思い込んでいる方が多く、不動産投資を始めるときに最も躓きやすいポイントとなっています。この記事では、不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて、両者を比較しながら解説していきます。

不動産投資における「ローン」は、住宅ローンとは別物

不動産投資ローンと住宅ローンの7つの違い

不動産購入は数千万〜数億円の費用をかける必要があるため、時間を分散させて支払えるメリットがあるローンは、今すぐ大きな金額を用意できない人の救世主です。積極的に利用するべきでしょう。一方で、住宅ローンとは異なり審査基準が厳しいといったデメリットもあります。

不動産投資ローンと住宅ローンについて、具体的にどのような違いがあるのか解説していきます。次の7つのポイントを押さえておきましょう。

  1. 借入目的の違い
  2. 審査基準の違い
  3. 返済原資の違い
  4. 借入金額の違い
  5. 金利の違い
  6. 返済期間の違い
  7. 年齢上限の違い

借入目的の違い

まず、不動産投資ローンと住宅ローンは借りるときの目的が大違いです。

私たちにとって馴染みのある「住宅ローン」は、自分が住むマイホームを買うために組むローンです。物件というモノを対象とした購入資金を分割して支払うイメージですね。

一方、不動産投資ローンは投資を目的とする不動産を担保に、金融機関から融資を受けて購入代金を支払います。つまり、住宅ローンはモノを買うためのローンで、不動産投資ローンは投資のためのローンなのです。

住宅ローンはモノを買うため、不動産投資ローンは投資をするため、という借入目的の違いがあるのです。

審査基準の違い

融資審査の基準は、不動産投資ローンの方が厳しく、住宅ローンの方が緩いです。

不動産投資は事業なので、空室が埋まらなかったり、入居者どうしのトラブルがあったりして、経営が上手く行かない可能性があります。マンションやアパート経営において、入居率が高く事業として採算が取れるかなど収益性が審査において重視されるため、基準が厳しくなるのです。

一方、住宅ローンの方は安定した勤務先からの収入がある人(サラリーマンなど)なら、ローンの審査に落ちることはほとんどありません。年収が少ない人でも、それに見合った物件の購入金額であれば審査には通ることが多いです。金融機関にとっても、一定のペースで返済されれば良いので、返済が滞らない程度の安定した収入があれば審査に通ります。

審査基準は、利益が重視される不動産投資ローンの方が厳しく、住宅ローンの方が緩いです。既に住宅ローンを借りた経験がある人は、「同じようなものだろう」と思って油断していると審査に落ちてしまうかもしれないので、審査の条件の厳しさを頭に入れておきましょう。

「銀行によって審査基準は異なるのでは?」と思われる方もいるでしょうし、確かにそのとおりです。しかし、住宅ローンよりも不動産投資ローンの方が厳しく審査されるのは、オリックス銀行、住信SBIネット銀行など、どの金融機関でも同じです。

返済原資の違い

不動産投資ローンと住宅ローンとでは、「返済原資」が異なります。返済原資とは、ローンの返済に充てる資金の出どころのことです。

住宅ローンの場合、ローンの借主の毎月の給料が返済原資となります。もちろん給料全てをローンの返済に充てる事はあり得ないので、毎月数万円ずつ給与から返済していく形になります。

一方、不動産投資ローンの場合、毎月の家賃収入が返済原資となります。不動産投資を始めて賃貸物件に入居者が入れば家賃として収入が得られるので、家賃収入をローン返済に充てるのです。

家賃収入に加え、給料の一部を返済に充てて返済ペースを早めることも可能です。なお、空室ができて家賃収入が返済額に届かない場合、毎月の返済が滞るなどの影響が出るかもしれません。自腹で補う覚悟をしておきましょう。

まとめると、住宅ローンの返済原資は毎月の給料で、不動産投資ローンの返済原資は主に家賃収入となります。

借入金額の違い

借入金額は、一般的に不動産投資ローンの方が住宅ローンよりも多くなります。

住宅ローンの場合、適切な借入金額は年収の5から6倍とされています。高くても7倍から8倍程度です。これは住宅ローンの返済原資が借主の毎月の給料から捻出されるためで、無理なく返済できる水準に落ち着くように設定されます。

一方で不動産投資ローンの場合、借主の年収の10倍や、最大で20倍もの融資を受けられることも一般的に起こっています。これは不動産投資ローンの返済原資が主に家賃収入であるためです。借主の給料からプラスして返済することもできるので、返済原資が「家賃収入+給料」と大きくなります。よって、不動産投資ローンは多くの融資額を借りることができます。

まとめると、住宅ローンの借入金額は年収の5から6倍程度、不動産投資ローンの借入金額は年収の10倍や20倍も可能、となります。

金利の違い

メガバンクや地銀などでローンを組むと、金利は住宅ローンの方が低く、不動産投資ローンの方が高い傾向にあります。固定金利・変動金利のどちらでも同じ傾向です。

具体的な金利は金融機関によってさまざまですが、住宅ローンは0.5%〜2.0%程度と低い金利で借りることができます。これは住宅ローンの返済原資が借主個人の収入であるためです。融資審査では安定した収入が得られる職業かどうかが重要なポイントとして評価され、金融機関は返済が滞るリスクが低い人にローンを貸し付けることができるので、低金利となっているのです。

一方、不動産投資ローンは1.5%〜4.5%と高い金利での貸付となります。不動産投資の場合、安定した収入を得られる確証が無いため、金利が高く設定される傾向があるのです。

例えば、物件に空室ができて想定通りの家賃収入が得られないといったリスクがあります。このような場合、ローンの返済が滞ってしまう可能性があり、金融機関としては「借主が返済不能になるリスク」を抱えることになります。したがって、住宅ローンよりも高い金利に設定されることが多いです。

まとめると、不動産投資ローンは住宅ローンよりも高い金利になることが多いです。すでに住宅ローンを借りている人は、不動産投資ローンも同じような金利だと思い込んでいるかもしれません。金利の違いに驚いてしまうかもしれませんが、上記の理由があってのことなので、融資を受けるときは金利も注意して確認し、冷静に判断しましょう。

返済期間の違い

不動産投資ローンでも住宅ローンでも、基本的に返済期間は25年〜35年が一般的です。これは建物自体の法定耐用年数に応じており、投資用の物件と居住用の物件とであまり差がないからです。

ただし、新築ではなく中古の物件を買う場合、不動産投資ローンの返済期間は20年などに短縮されるケースがあります。不動産投資ローンの融資期間は住宅ローンよりもフレキシブルな点を押さえておきましょう。

年齢上限の違い

住宅ローンと不動産投資ローンは、借りられる年齢にも違いがあります。

住宅ローンの場合、会社に勤めている人が定年退職するまでにローンの返済が終わることを前提に組みます。そのため、70歳を超えると返済能力が無いと見なされ、借りられないことが多いです。

不動産投資ローンの場合、家賃の収益が返済原資となるため、定年退職は関係ありません。そのため、状況によっては70歳を超えていても融資してもらえることがあるのです。

住宅ローンは現役世代のみ、他の条件にもよりますが不動産投資ローンは原則として年齢制限がない、という違いがあるのです。

おさらい

不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて紹介してきました。具体的に次の7つの違いを押さえておきましょう。

  1. 借入目的の違い
  2. 審査基準の違い
  3. 返済原資の違い
  4. 借入金額の違い
  5. 金利の違い
  6. 返済期間の違い
  7. 年齢上限の違い

既に住宅ローンを借りた経験がある人は、「不動産投資ローンも似たようなものだろう」と思っているかもしれません。しかしこの記事でも紹介したように、両者にはさまざまな違いがあります。不動産投資を検討中なら、ローンの特徴の大切な違いについても押さえてから、金融機関に相談したり、契約したりしましょう。