不動産投資における物件の流動性とは

不動産投資において重要な要素を聞かれると、ほとんどの投資家からは「利回り」や「立地」が出てきます。

不動産投資は投資という言葉がついていますが、賃貸物件を商品とした賃貸経営であり、事業性が高く、安く買って高く貸すと言うのが基本的に重要な考え方になります
よって、投資家が見るポイントも物件価格や周辺の家賃相場を見て、「しっかりと入居が埋まって、家賃収入で儲けを出していけるのか」と言う点に焦点がいきます。

実際、不動産投資においてしっかりと入居者を確保し、家賃収入で収益を出していくことは経営を続ける上で最も大切です。
ただ、長期的な視点で考えるともう一つ、考えておいた方がよい要素があります。
それは物件の流動性です。
今回は、不動産投資における物件の流動性をテーマに解説します。

これを読めば、不動産投資において、「そもそも流動性とは何なのか?」、「流動性がなぜ大切なのか?」、「流動性の高い物件とはどういった物件なのか?」、「流動性から見る不動産の強みとは?」という疑問が解決できます。

流動性とは

不動産だけではなく、投資商品全般における流動性とは、その換金性のことです。
簡単に言うとお金に換えたいときにどれだけ早期に換金が出来るかと言う性質のことを言います。

すぐに換金できるものは流動性が高く、逆に換金するのに時間がかかってしまうものは流動性が低いと言えます。
不動産投資において、将来的に物件を売却してお金に換えてしまう投資戦略のことを出口戦略と呼び、長期的な資金運用やリスクヘッジの方法として一般的に重要視されています。

不動産の流動性は高い?低い?

それでは不動産の流動性とは他の投資商品と比べてどうなのでしょうか?
結論から言うと、不動産の流動性は総じて低く、買い手が現れるまでの時間があり、価格交渉や契約、引き渡しなども含めると換金するまでの期間はどうしても長くなります
これは、不動産と言う商品自体の価格帯が高いことと、株式や外貨などの金融商品のように専門の取引市場がないことが原因とされています。
不動産投資において流動性を考えることはとても大切ですが、大前提として不動産と言う商品自体は流動性が低いものだと言う認識を持っておくことが大切です。

流動性はなぜ大切?低いとリスクになる?

不動産は流動性が低い商品ですが、だからこそ不動産投資をするときに購入する物件の流動性を考えることが大切になります。それは、購入した物件の流動性が低いと将来的に売却して換金したい時に出来ないと言ったリスクにつながるからです。

先述したように不動産投資は家賃収入が入ってくる限り経営自体に問題は生じません。問題になるのは、物件を手放したいときに売却が出来ず、出口戦略が取れないときです

物件を手放したいというケースは様々あります。
例えば、以下のようなケースが一般的に考えられます。

  1. 所有し続けても相続する人がいない。
  2. 経営がうまくいかず、物件を売ってしまいたい。
  3. 経営自体はうまくいっているが、一旦不動産投資から身を引きたい。
  4. 高く売れそうなタイミングだから現金化しておきたい。

手放したい理由はポジティブなものからネガティブなものまでありますが、ここで重要なことは、出口までの期間を長くとれるケースなのか、そうではないケースなのかと言うことです

どういうことかと言うと、例えば3のような経営自体はうまくいっているが、何かしらの理由により一旦は不動産投資をやめてしまいたいケースは、経営自体はうまくいっている為、よほどの理由がある場合を除いて売却までの期間に余裕を持つことが出来ます。
売却までの期間に余裕が持てると言うことは、価格交渉もしやすく、自分の納得がいく価格で取引が出来る可能性が高くなります。

しかし、2のように経営自体がうまくいっていない場合は、売却までの期間に余裕を持つことが難しくなります。
例えば、空室だらけで資金が垂れ流し状態になっている場合には、資金が底を尽きる前に売却してしまう必要があります。こうなると売り急がざるをえない状態となり、価格交渉も難しい為、思うような価格で売却できず、場合によっては売却しても借金が残ってしまう可能性もあります。
よって、不動産投資における流動性を考える際には、そもそも不動産自体の流動性の低さを認識するとともに、売り急がなくてはいけないような状態を作らないようにすることが大切なのです。

流動性の高い物件とは

それでは、不動産投資における流動性の高い物件について解説します。

これは、先述した「売り急がなくてはいけないような状態を作らない」と言う部分にヒントがあります。
結論から言うと、売り急がなくてはいけない状態に陥るような物件は、ほとんどの場合で流動性は低いです
売り急がなくてはならない物件とは、先ほどの例のような空室だらけで経営がうまくいかなくなるような物件です。簡単に言うと、賃貸ニーズがない物件は不動産投資市場からのニーズも低い為、流動性はもちろん低いです。

逆に、しっかりと入居者が確保できて常に満室稼働しているような賃貸ニーズの高い物件は、投資市場からのニーズも高い為、流動性も高くなります。

まとめると、不動産投資において物件の流動性の高さとは、賃貸ニーズが高く、入居者に困らない経営がうまくいきやすい物件と言うことです。

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流動性の高い物件を作る努力も投資家には必要

前段で流動性の高い物件について解説しましたが、市場に流通している物件は、もともと賃貸需要が高く、入居に困らないような優良物件ばかりではありません。
逆にそのような物件は、どの投資家からもニーズがある為、需要と供給の関係で物件価格も高くなります。どれだけ賃貸ニーズの高い物件でも、取れる家賃額に対して物件価格が高いと利回りが下がって投資商品としての魅力が下がりますので、逆に流動性は低くなってしまいます。
流動性を考える上では、賃貸需要に加えて物件価格も大切な要素になります。

もちろん、好立地で入居付けがしやすい物件が相場より安く買えることもありますし、投資家にとってはそれに越したことはありません。しかし、不動産投資家として規模を拡大していきたいのであれば、元々は入居付けに苦労していたような物件でも再生して需要の高い物件を作り上げる努力も必要です

空室が多い物件は、ほとんどの場合で物件価格も安い為、満室稼働させることが出来れば、利回りは高くなります。
要は儲かると言うことです。儲かると言うことは投資市場において需要が高まりますので、流動性は高くなります。
空室が目立つ物件を満室稼働させることは、周辺の賃貸ニーズを把握し、対策を打つことや入居付けしてくれる不動産業者に対する営業活動などたくさんの努力が必要ですが、投資家の腕の見せ所でもあります。

投資家の努力次第で、『流動性の高い物件』を作り上げることも出来るのです。

不動産投資において流動性の低さはメリットでもある

ここまでの解説で不動産の流動性が低いことは、投資商品においてデメリットになる部分しかないように感じます。しかし不動産の流動性の低さは、資産としてのメリットもあり、実は不動産の強みでもあります。

その理由は、流動性の低さ故、価値の変動が少ないからです。
株や外貨、金のような投資商品は、流動性の高さから取引自体が活発に行われている為、一般的に価値の変動が激しいと言われています。
逆に不動産の場合、流動性は低いですが、価値の変動が少なく安定している為、値崩れしにくいと言われているのです。
不動産投資は物件を担保にすることで銀行から融資を受けることが出来ますが、それは不動産の価値が安定しており、換金したときに時間がかかったとしてもそれなりの売却益が見込めるからです。

流動性と言う性質は高いものと低いもので、実はそれぞれメリットとデメリットがあるのです。

不動産の強みを活かす為に堅実な経営を

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今回は、不動産の流動性をテーマに解説しました。
投資商品と言うものは、さまざまな種類がありますが、どの商品も長所と短所があります。大切なことは、その投資商品の長所を最大限活かすことであり、不動産投資においても同様です

不動産投資はしっかりと物件調査をした上で物件を購入し、入居を埋める努力をすれば、毎月安定して家賃収入が入ってくる堅実な投資です。

堅実な投資をすることが、物件の価値を高め、物件価値を高めることが流動性を高めることにもつながります。
不動産は、売却しようとしても換金までに時間がかかるので、売却をしたいときに売り急がなくても良い状態を作っておくことが大切です。

セミナーなどで不動産の性質を理解すると共に、その強みを活かす投資をするための知識を付けていきましょう

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