不動産売買契約時に、物件購入価格の10%~20%程度の手付金を用意する必要がありますが、
・なぜ、現金で用意しなければいけないのだろう
・数百万円も契約時に用意するなんて大きな負担になる
と頭を悩ます人が多くいます。
そもそも、なぜ、手付金を用意しなければいけないのでしょうか?安く抑える方法はないのでしょうか?
このような疑問を残したまま、不動産売買契約を締結する行為は極めて危険です。不動産会社の話を鵜呑みにした状態で、契約をすると後悔することになりかねません。そのため、手付金について正しい知識を学んでおきましょう。これから、不動産購入や不動産売却をするという方は、ぜひ、この記事を読んでください。
目次
不動産売買の手付金とは
不動産売買の手付金とは、不動産売買契約を行う際に、買主が売主に支払うものです。物件購入の意思表示をして、契約成立の証拠としての役割を果たします。また、買主と売主の双方の合意を得ないまま、契約解除をしないための保証金としての役割も持つものです。
不動産売買契約書には「手付金を売買代金の一部に充当する」と記載されているため、誤解をされますが、手付金は不動産売買代金ではありません。あくまでも、不動産売買取引を保証するための代金であることを理解しておきましょう。
手付金の3つの役割
証約手付 | 売買契約が成立したことを証明するもの |
違約手付 | 債務不履行が発生した場合には手付が没収されるもの |
解約手付 | 契約を解除するために用意するもの |
不動産売買の手付金額の相場
不動産売買の手付金額の相場は、物件購入金額の10%~20%となっています。例えば、3,000万円の不動産を購入する場合は、300万円~600万円を用意しなければいけません。
また、売主側が不動産会社(宅地建物取引業者)の場合、不動産購入金額の20%が上限と定められていることを把握しておきましょう。
物件購入金額の10%~20%は、あくまでも平均相場です。3,000万円の不動産を購入する場合、売主側が許可すれば100万円でも問題ありません。
不動産売買の手付金を用意できない場合の対処法
手付金は不動産売買契約日に支払わなければいけません。住宅ローンの融資審査前に現金で用意しなければいけないため、どのように用意するべきか頭を悩んでしまうこともあるでしょう。そのため、手付金を用意できない場合の対処法も覚えておきましょう。
減額交渉をする
3,000万円の不動産購入をするにあたり300万円は用意できないけど、100万円は用意できる方もいると思います。このような場合は、売主側に手付金の減額交渉をしてみましょう。
売主側も早く不動産売却をしたいなど諸事情を抱えていることが多いです。そのため、不動産購入のため減額交渉して欲しい旨を伝えれば、売主側が交渉に応じてくれることもあります。
手付金の金額に制約はありません。売主と買主の双方が同意すれば良いことになっており、1万円でも良いものとされています。そのため、初期費用を安く抑えたいという方は、売主側に思い切って相談をしてみましょう。その際には、絶対に不動産購入したいという希望を伝えることが大切です。
両親にお金を借りる
売主側の中には、最低5%程度の手付金が用意できない買主とは契約したくないと考える人もいます。不測の事態のトラブルを避けるため、属性が良い買主と契約を締結したいと考えるのは当然のことです。
自己資金がない方は融資審査も通りにくいのが現実です。そのため、お金を用意できない場合は、両親からお金を貸してもらえるかを検討してみましょう。両親からお金を借りる場合は、借用書を作っておくと金銭トラブルを防止できます。
カードローンを利用する
どうしても資金調達ができず、不動産購入を諦めきれない場合は、最終手段としてカードローンを利用します。しかし、カードローンは融資審査で申告しなくてはいけません。その結果、金利優遇が受けられないなどのマイナスの影響を受けます。このように、さまざまなリスクがあるため、あくまでも最終手段として考えておきましょう。
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— owners.media (@OwnersMedia) June 12, 2020
不動産売買の契約解除について
不動産売買時に用意しておく手付金について説明しましたが、契約解除をするとどうなるのでしょうか?契約解除時に返金されるのかは知っておきたい情報です。最後に、不動産売買の契約解除について理解を深めておきましょう。
売主側による契約解除の場合
売主側が不動産売却を辞めるなどして契約解除をする場合は、買主側から受け取った手付金を返さなければいけません。また、買主側に迷惑をかけることになるため、2倍の金額の手付金を返さなければいけないのです。
このように、買主側だけではなく、売主側のペナルティにも大きな影響を与えるもののため、不動産売買契約を締結する際は、手付金について理解を深めた上で行いましょう。
買主側による契約解除の場合
買主側の都合で契約解除となった場合は、手付金の返還権利を放棄しなければいけません。また、買主側の都合による契約解除ができる期間は、契約上で定められています。いつでも気軽に契約解除ができるわけではありません。そのため、不動産売買契約を締結する際は、解除に関する記載内容を必ず確認しておくようにしましょう。
補足:ローン審査が落ちた場合は返還される
買主側が不動産購入を希望していても、ローンの審査に落ちてしまえば、購入することはできません。住宅ローンの審査に落ちてしまったなどの理由で契約解除となった場合は、手付金は返還されます。誰でも仕方がない理由だと思えるからです。
しかし、住宅ローンの審査に通過したにも関わらず、住宅ローンを組みたくなくなったなどの理由で契約を解除する場合は、売主側に迷惑をかけることになるため、契約解除料として売主に支払わなければいけません。
補足:手付金が返還されないケースにも注目
不動産売買契約の締結から物件引き渡しまでは、一定の期間があります。その期間中に不測の事態が起こることもあります。例えば、売主である不動産業者が倒産してしまうこともあるかもしれません。
このような状況に陥ってしまった場合は、不動産業者が手付金返還に応じないというトラブルも多々あります。そのため、手付金を支払う際は注意を払いましょう。一般保証制度を利用すれば、このような不測の事態に対応できます。
参考:公益社団法人 全日本不動産保証協会『一般保証制度について』
一般保証制度の利用を確認してリスク回避する
手付金は3つの役割があります。これらの役割を持つ手付金を支払うことで、不動産売買取引を円滑に進めていくことができます。
不動産売買契約締結後に融資審査を受けることになりますが、融資審査に落ちてしまった場合は、手付金は返還されることが住宅ローン特約に定められています。買主側の都合で契約を解除した場合のみ、手付金返還権利を破棄しなければいけません。
しかし、売主側の不動産会社が倒産してしまう不測の事態もあるでしょう。
このような場合は、売主側に否があっても手付金が返還されないため注意してください。そのため、一般保証制度を利用している不動産会社かを確認しましょう。
このように、不動産売買契約前に「知っているか、知ってないか」の違いで、大きなリスクを回避することができます。
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