2001年9月に証券取引所の上場した不動産投資信託によって、少額から不動産投資を楽しむことができるようになりました。
不動産投資が人気なのは知っているけど、いきなり大きな額を借り入れして始める勇気がない
自分ができる範囲の予算で不動産投資をしたい
というふうに少額から不動産投資を始めたい方は、ぜひ利用してみてください。
ここでは、少額投資におすすめの不動産投資ファンドについて分かりやすく解説します。
目次
不動産投資で押さえたい「不動産投資ファンド」
不動産投資を少額の自己資金で始められないかなと悩んだ場合は、不動産投資ファンドを検討してみましょう。ここでは、不動産投資に関する基礎知識をご紹介します。
不動産投資ファンドとは
投資家と金融機関から集めた資金で不動産を購入して、そこから生まれる不動産売却益や賃貸収入を配当金として分配するファンドです。ここ数年間で、独立系不動産投資ファンドが登場してきており、市場規模も急拡大してきました。
不動産特定共同事業法に基づく契約類型
不動産特定共同事業法は、1995年4月に不動産投資に関する投資家保護を目的として施行されました。この法律に基づく事業を行う場合には、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受ける必要があります。不動産特定共同事業法に基づく不動産ファンドは、3つの契約類型が認められています。
任意組合型
投資家と事業者の間で任意組合契約を締結して、組合を結成する類型です。各投資家は、共有持分の現物出資または金銭出資を行います。そのため、不動産投資の所有権は各投資家が持つことになるのです。事業者は組合員として不動産管理・運営を行い、不動産売却益や賃貸収入を得た場合は投資家に分配します。
匿名組合型
投資家と事業者の間で匿名組合契約を締結します。各投資家は匿名組合員となり、事業者に対して出資を行いますが、不動産投資の所有権は事業者が持つことになります。事業者は不動産管理・運営を行い、不動産売却益や賃貸収入を得た場合は投資家に分配します。
賃貸型
投資物件を投資家が共同購入して、事業者に不動産を賃貸して経営を委託する類型です。不動産の所有権は、投資家が共同名義で持つことになります。事業者は、賃貸経営の委託を受けた不動産管理・運営を行い、不動産売却益や賃貸収入を得た場合は投資家に分配します。
不動産投資信託の種類
不動産投資信託は、投資家から集めた資金で不動産を購入して、賃貸収入や不動産売却益を投資家に分配する金融商品です。別名でJ-REIT(Japan- Real Estate Investment Trust)と呼ばれることもあります。不動産投資信託は、2001年9月に証券取引所に上場しました。
公募ファンド
一般の投資家を募集する不動産投資ファンドを公募ファンドといいます。証券会社・銀行・保険会社などの店頭やホームページで不特定多数の投資家に対して販売されており、デリバティブの組み入れや為替の予約取引等について法律で一定の制限がかけられています。
私募ファンド
機関投資家を対象とした不動産投資ファンドを私募ファンドといいます。専門知識を持つ機関投資家を対象にしているため、法律での制限がかけられていません。また、私募ファンドは宣伝活動も行われていないのが大きな特徴です。
不動産投資ファンドのメリット
不動産投資ファンドについて理解を深められたと思いますが、実際に、どのようなメリットが得られるのでしょうか?ここでは、不動産投資ファンドのメリットについて解説します。
少額から始められる
不動産投資信託は、一つの物件に複数人の投資家が出資します。そのため、少額の資金から始められます。予算に制限がある方でも、不動産投資が始められることが大きな魅力です。投資金額が抑えられるため、投資リスクを抑えられます。そのため、不動産投資初心者におすすめです。
分散投資が行える
小口から始められる不動産投資信託は、複合型や総合型の金融商品が販売されています。このような金融商品を購入すれば、住宅・オフィス・ホテル・複合施設に一度に分散投資を行うこともできるのです。
コロナショックの影響でオフィスの価格が下落していますが、このような分散投資を行えば、不動産投資に関するリスクを抑えることができます。実際に、資産運用の中でも、不動産投資信託は、コロナショックの影響が少なかったという報告も上がっているのです。
運用を専門家に任せられる
不動産投資信託は、専門家が不動産管理・運用を行ってくれるため、不動産知識の少ない人でも利益を得やすくなっています。また、自分で不動産管理をする場合は、修繕費などの経費が必要になりますが、そのような経費も必要ありません。日頃は、サラリーマンで本業で忙しいという方でも資産運用ができる金融商品なのです。
不動産投資ファにンドのデメリット
不動産投資ファンドは、デメリットもあるので注意しなければいけません。ここでは、デメリットについてご紹介します。
分配金が少ない
不動産投資信託は、投資金額に応じて利益が分配されます。そのため、少額から始めた場合は大きなリターンを望むことができません。不動産投資信託で大きな利益に結び付けるためには、投資を繰り返して使える資金を増やして、規模を拡大していかなければいけません。
物件が制限されてしまう
一般的な不動産投資だと、さまざまな投資物件の中から好みの物件を選ぶことができます。しかし、不動産投資信託に条件を絞り込むと、選べる物件が制限されてしまいます。そのため、投資物件を選んで自分で不動産管理・運用したい方には、不動産投資信託は不向きです。
運営コストがかかる
不動産投資信託は、専門家に不動産管理・運営をお任せすることができますが、その分のコストがかかります。運営コストは割高となっているので、一般的な不動産投資よりも利回りは下がってしまいがちです。一般的な不動産投資の利回りは約5%前後と言われていますが、不動産投資信託の利回りは3%前後になります。
倒産リスクがある
不動産投資信託は、少額から不動産投資を始められるメリットがありますが、販売窓口の証券会社の信用度が低下したり、倒産したりした場合は金融商品の価値も下落してしまうので、販売窓口となる証券会社が信頼に値するかどうかを良く見極めなければいけません。
実際に、サブプライムローン問題から始まった世界的金融危機の影響を受けて、不動産投資ファンドが倒産するということもありました。仮に証券会社が倒産してしまった場合は、出資金は手元に戻ってくることはありません。そのため、販売先の経営状況などを良く調べましょう。
不動産投資ファンドの商品から始めてみよう
今回は、不動産投資ファンドの仕組みについて解説しました。
自分自身の力で不動産投資を始める場合、大きな利回りを得ることも夢ではありませんが、
多額の自己資金と不動産投資ノウハウが必要になります。
サラリーマン大家の場合は本業をしながら不動産経営をするのは非常に大変です。
しかし、不動産投資ファンドの金融商品を購入すれば、そのような心配もありません。少額から不動産投資を始めることができます。ただし、デメリットもあるため、仕組みを理解した上で始めましょう。
少しでも不安を感じた方は、ぜひ、不動産投資セミナーで投資に関する知識を蓄えてみてください。少額から始められる投資には、さまざまな種類があります。そのため、セミナーに参加をして、自分に適している投資方法は何かを確認してみましょう。
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