不動産投資には、さまざまな専門用語があります。これらの専門用語を正しく理解しておかなければ、不動産投資で失敗してしまうでしょう。また、不動産投資は、利回りや投資判断基準の値など、さまざまな値を算出していきます。これらの値の違いを理解することも大切です。
この記事では、不動産投資で活用する専門用語「イールドギャップ」について解説します。
イールドギャップの値は、投資判断基準に活用されるため、正しく計算できるようになっておきましょう。
目次
不動産投資のイールドギャップとは
イールドギャップとは、不動産投資の利回りから、ローン金利を差し引いて求めたものをいいます。
例)物件価格2,000万円で年間家賃収入150万円、ローン金利2%の場合
利回り:150万円÷2,000万円=7.5%
イールドギャップ:7.5%―2%=5.5%
上記のようにイールドギャップの数値を求めるのが、投資の世界では一般的です。投資は、利回りと長期金利の差額を意識して、投資判断をすることが大切です。変な話、不動産投資の利回りより金利が高ければ、不動産投資ではなく国債を購入した方が収益は見込めます。
そのため、投資物件の利回りと金利の差額のイールドギャップの値を確認して、収益性を判断します。
イールドギャップとは、
利回り-金利
利回りが低くても低金利ならCFが出ていい物件にもなるし、超高金利でも利回りが超高いのであればいい物件となりうる
新築ワンルームマンションで、利回り4%を2%の金利だと、イールドギャップ2%。金利を払う返すために借りているようなもんで注意
— もふ社長@不動産投資家 (@mofmof_investor) June 13, 2020
不動産投資のイールドギャップの目安
収益性を判断するための値としてイールドギャップを活用しますが、どれぐらいが目安になるのでしょうか?投資判断を間違わないためにも、イールドギャップの目安を覚えておきましょう。
中古物件:6%以上
新築物件には、新築プレミアムの価値が含まれているため、入居後に資産価値が下落します。その一方で、中古物件は資産価値が大きく下落することはありません。郊外物件では、表面利回りが10%を上回る物件も出てくるでしょう。
しかし、中古物件は、新築物件よりも表面利回りが高くなる傾向がありますが、修繕費や入居募集費などがかかります。そのため、中古物件に不動産投資をする場合は、6%以上を目安にイールドギャップが大きな物件に絞り込み、キャッシュフローがどの程度、得られるかを検証していきましょう。
新築物件:5%以上
新築物件は、1度でも入居者が入ると資産価値が1割~2割程度下落してしまいます。そのため、中古物件と比較すると利回りは低くなりがちですが、年間のランニングコストは抑えられるというメリットもあります。従って、新築物件に投資をする場合は、イールドギャップが5%以上の物件を選びましょう。
補足:イールドギャップには明確な目安はない
不動産投資の利回りは、新築か中古か、都心か郊外かなどが影響します。複合的な要素が絡むため「イールドギャップが〇%であれば、その物件に投資するべき」という明確な基準はありません。近頃は、不動産投資ローンの金利は上昇傾向であるため、イールドギャップは縮小傾向にあります。
不動産投資でイールドギャップを求める際の注意点
的確な投資判断をするためにも、イールドギャップの必要性は理解して頂けたと思います。しかし、イールドギャップを求める際には注意点もあるので気をつけましょう。ここでは、イールドギャップを求める際の注意点をご紹介します。
正しく収益性を判断するには実質利回りを利用する
イールドギャップは、表面利回りからローン金利を差し引いた値のことをいい、投資判断に活用することができますが、実際の収益を求める場合は注意が必要です。
表面利回りは「年間家賃収入÷物件購入価格×100」で計算したもののため、修繕リスクや空室リスク、家賃滞納リスクなどを加味していません。そのため、イールドギャップの値で収益を考えると理想通りの収益が得られなくなることが多いです。
シッカリと不動産投資の収益性を考えていく場合は、表面利回りではなく、修繕や空室リスクを加味した実質利回りを計算しましょう。
ローン金利だけではなく借入金額も考慮する
イールドギャップは、不動産投資の利回りからローン金利を差し引いて求める方法です。しかし、不動産投資のキャッシュフローに影響を与えるのは、ローン金利だけではありません。ローンの借入金額や借入期間も影響します。
イールドギャップの値が大きくても、借入金額や借入期間によっては、キャッシュフローが回らなくなることもあるのです。このような点も加味して、不動産投資を行うかを判断しましょう。
キャッシュフローを考慮した計算をする
不動産投資の安全性を判断するためには、イールドギャップの値だけでは不十分です。
- 修繕リスクや空室リスクを加味した実質利回りを求めること
- ローン金利だけではなく、借入金額や借入期間を加味した返済を考慮すること
上記の2つが必要になるということを説明しました。しかし、実質利回りを計算するために、修繕リスクや空室リスクなど、どのように加味すれば良いか不動産投資初心者は分からないと思います。しかし、安心してください。これらを細かく計算せずに、キャッシュフローを考慮したイールドギャップの計算方法があるのです。
下記の計算式で計算することができます。
[キャッシュフローを考慮したイールドギャップ]
イールドギャップ(%) | 実質利回り(%)-ローン定数(%) |
実質利回り | (年間家賃収入―年間コスト)÷(税込物件価格+物件購入時コスト)×100 |
ローンの定数 | 年間元利総返済額÷借入総額×100 |
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イールドギャップをよく理解した上で投資判断の材料にして
今回は、不動産投資を行う上でのイールドギャップの役割について解説しました。
イールドギャップは表面利回りからローン金利を差し引いて、その物件に投資をするべきなのかを判断するための指針になる数値です。そのため、投資すべきか悩んだ場合はイールドギャップの値を求めてみましょう。
しかし、実際の不動産投資の収益性を求める場合は、修繕リスクや家賃下落リスクを加味した実質利回りを算出したり、借入金額や借入金額も考慮する必要があります。
そのため、イールドギャップの役割を良く理解した上で投資判断の材料として活用してみてください。
不動産投資には、イールドギャップ以外にも、さまざまな専門用語が出てきます。これらの専門用語の意味を理解していなければ、不動産投資で失敗してしまうでしょう。そのため、これから、不動産投資を始める方は、不動産投資セミナーで勉強を始めてみてください。
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