不動産投資を行う上で「所有物件に入居者が決まらない…」「賃料を下げるしか方法がないのか…」と焦ってしまうこともあるでしょう。しかし、空室対策を行うことによって、入居希望者からの問い合わせ件数を増やすことはできるのです。実際に、どのような対策を打てば良いのでしょうか?
ここでは、不動産投資家が押さえておきたい空室対策をご紹介します。簡単にできる空室対策から、費用がかかる空室対策までご紹介。これから入居者を募集する方は、ぜひ、この記事を参考にしてみてください。
目次
空室対策をせずに家賃だけを下げていませんか?
空室対策となると、管理会社の人に言われるがまま賃料を下げる方がいますが、それは最終手段として行うものです。管理会社から「賃料を下げなければいけません」と言われても、簡単に応じないようにしましょう。
所有物件の家賃を簡単に下げてしまうと、その分、収入は下がってしまいます。一度、下げてしまった賃料は上がらないため、大きな損失となり悪影響を及ぼします。そのため、できる範囲の空室対策をして、それでも入居者が見つからなかった場合に賃料を下げてみるように試みてください。
空室対策(1):金銭的優遇
入居者は少しでも金銭的な負担を減らしたいと思っています。賃料を下げる以外の対策として、どのような負担の減らし方があるのでしょうか?ここでは、3つの空室対策をご紹介します。
1.敷金や礼金を免除する
入居時の初期費用を抑えたいと思っている入居者は多いです。敷金・礼金・仲介手数料などを含めると、部屋を借りるのに必要な初期費用は数十万円になります。そのため、敷金や礼金が免除されている物件を中心に探している方も多いです。
このような初期費用を下げてしまうと、敷金や礼金が受け取れませんが、入居ハードルが下がり、簡単に入居者を見つけることができるでしょう。一度、入居をすれば、2年以上は住み続けるため、家賃を下げるよりも高い収益が得られます。
2.フリーレント期間を設定する
敷金や礼金を下げる他に、フリーレント期間を設ける方法もあります。同条件の物件がある場合、入居者は決め手となる条件を探してしまいます。その際に、フリーレント期間が設定されていると契約の決め手となりやすいです。
3.入居者プレゼントを用意する
入居者に対してプレゼントを用意すると、成約率が上がります。入居者によって喜ばれるプレゼントは異なるため、商品券などが人気です。敷金や礼金を免除するよりも安く済ませることができます。
空室対策(2):入居条件の変更
金銭的優遇の他にも入居条件を変更することによって空室対策となります。どのような条件にすれば良いのでしょうか?ここでは、入居条件を変更する際のポイントをご紹介します。
1.募集条件を緩和する
入居者の方の中には、特殊な要望を持っている方もいます。「大好きなバイクを部屋に飾りたい」「楽器を演奏したい」「ペットを飼いたい」など要望はさまざまです。
これらの要望を受け入れることで入居が決まるケースもあります。立地条件などが悪い場合は、入居条件を緩和することによって、長期優良入居者を獲得することができます。
2.高齢者が入居できる物件にする
高齢者は孤独死リスクがあるため、約6割の大家が高齢者の入居を拒否しています。そのため、高齢者の物件探しは難航してしまうのです。
しかし、反対に高齢者の入居を承諾すれば、入居希望者が見つかりやすくなります。高齢者の入居者が増えれば、コミュニティができることもあるため、検討してみても良いでしょう。
3.特化型の物件にする
特化型の物件も人気です。女性限定や高齢者限定というようなコンセプトを明確に打ち出すことで、入居者から選ばれやすくなります。また、特化することによって、入居者内のコミュニティが生まれて口コミで広まっていくこともあります。
空室対策(3):設備投資
費用がかかりますが、設備投資をすることによって、入居率が大幅にアップすることもあります。どのような設備投資をすれば良いのでしょうか?ここでは、設備投資のポイントをご紹介します。
1.リフォームを行う
木造アパートでも約30年程度は建物として利用できます。しかし、30年の年月が経過してしまうと時代のニーズに合わなくなってしまい、敬遠されてしまうことが多いです。そのため、床やクロスの現状回復や水回り設備のリフォームを行いましょう。
リフォーム費用はかかってしまいますが、時代のニーズに応じた部屋にすることで、空室対策につながります。
2.セキュリティ対策を強化する
少額の設備投資で人気を集めているのが、セキュリティ設備の導入です。とくに、オートロック・監視カメラ・モニター付きインターホン・ディンプルキーなどが人気です。アパートは、オートロックがない物件が多いため、セキュリティが弱いと人気がありません。
しかし、共用部などに監視カメラを装着すると、入居者の方に安心してもらえるでしょう。他のアパートとの差別化にもなります。
3.無料インターネット環境を整える
入居者から人気の設備ランキングで首位を獲得しているのが「インターネット無料」です。少しでも物件の競争力を上げるために、インターネット無料を導入する大家は増えています。スマホを利用する方が増えて、インターネット環境は住まいの必須条件にもなりつつあります。
4.家具付きの物件にする
リフォーム費用を捻出できない場合、家具を配置してモデルチェンジするという対策もあります。入居者のターゲット層を絞り込み、その人が好む家具や雑貨を飾ります。
近頃は、IKEAやニトリなどの店舗で、コーディネートの相談ができるので、不安な方はプロに相談をしてみてください。
空室対策:(4)募集方法の工夫
空室対策として、入居者募集の販促ツールを工夫する方法もあります。どのように工夫すれば良いのでしょうか?ここでは、募集時の工夫についてご紹介します。
1.物件動画を制作する
不動産会社のポータルサイトでは、募集物件に使用できるコメントが制限されています。しかし、動画であればテロップに自由にコメントが入れられて、他社と差別化にもつながり、高い集客効果が見込めます。
2.内覧時に気遣いを見せる
入居希望者の内覧時に気遣いを示すことで「何かトラブルがあったときも、ここの大家さんであれば気軽に相談できる」と信頼関係を築くことができます。
例えば、冬は気温が低いため、部屋の中も冷えています。寒い時期の内覧は大変ですが、部屋が温まっていればホッとすることができるでしょう。このような気遣いをするだけでも、内覧者に与える印象は大きく変わります。
3.入居募集の協力会社を見つける
管理委託先の不動産会社を尊重しながら、募集体制を築くことも大切です。入居募集の協力会社に対しては仲介手数料を支払えば、既存の管理会社も納得してくれます。複数の不動産会社に入居募集を仰げば、入居者がよりスムーズに見つけられるでしょう。
まとめ
リフォームを行う場合は費用がかかるため、気軽にできるものではありません。しかし、販促ツールを整えたり、内覧時に入居希望者に気遣いを見せるなどは簡単に行えるでしょう。
空室が続くと不安になり、賃料を下げる方もいますが、賃料を下げるのは最後の手段です。まず、空室対策を実施して、それでもダメな場合に賃料を下げてみてください。