物件を購入するのに数千万〜数億円と高額な初期費用が必要な不動産投資は、銀行などから「不動産投資ローン」を借りて始めるのが一般的なルートです。しかし、不動産投資ローンは「住宅ローン」よりもローン審査が厳しく、残念ながら融資に落ちてしまう人もいます。
この記事では、不動産投資ローンの審査に通る条件や、審査に落ちてしまう人の特徴を解説します。
ですが、不動産投資ローンを借りられなかった場合でも、気を落とすのはまだ早すぎます。不動産投資を始めるための自己資金づくりの方法まで解説したので、最後まで読んで投資に役立てていただければと思います。
目次
不動産投資ローンを借りられる人の特徴
物件購入のための不動産投資ローンを借りられる人の属性としては、次のような要素が挙げられます。これから不動産投資を始める方は、事前にチェックしておきましょう。
- 物件の収益性
- 物件の担保性
- 頭金を支払うことができる
- 連帯保証人の有無
- 本人の年収や勤務先、勤続年数
詳しい審査基準はもちろん金融機関によって異なりますが、上記のポイントが重視されることが多いです。各ポイントについて詳しく見て理解を深めていきましょう。
物件の収益性
不動産投資ローンの審査で最も重要視されるのが、物件の収益性です。
ローンを借り入れた人は毎月の家賃収入からローンの返済をするため、安定した高い収益が見込める物件ほど、ローン審査に通りやすいのです。メガバンクや地方銀行、信用金庫などの金融機関はローンの返済が滞るのを嫌うため、収益性を評価します。
物件の担保性
担保とは、ローンを借りた人が何らかの理由で返済できなくなってしまった場合に、銀行がその物件を保有する権利のことです。担保として回収された物件は売却され、ローンの弁済という形で銀行のお金になります。
銀行にとっては貸したお金が回収できないことが最大のリスクなので、物件が担保として適格かどうかをローン審査の判断基準にします。
頭金を支払うことができる
自己資金から頭金を支払うことができなければ、基本的には不動産投資ローンを借りるのは難しいです。頭金は、一般的には物件価格の5%~10%前後になることが多いです。具体的にいくらになるかは収益性・担保性によりますが、これらの評価が良ければ頭金は少なくて済むことがあります。
例えば、1億円の物件なら頭金は500万円~1000万円となります。この金額を目安に、自己資金で用意できるかどうか、イメージしていただければと思います。
連帯保証人の有無
マンションやアパート経営のための不動産投資ローンの場合、基本的には連帯保証人は不要なのですが、特殊なケースでは連帯保証人が必要なことがあるので注意しましょう。具体的には、高齢者が不動産投資ローンを借りる場合や、団体信用生命保険に加入しない場合です。
高齢者がローンを借りる場合、相続人のうち事業継承者になる人が連帯保証人になることを求められることがあります。ローンには返済期間があるので、高齢者の場合は単独では借りにくいでしょう。
なお、団体信用生命保険には加入するのが一般的なので、不動産投資を始めるなら加入するもの、と覚えておきましょう。
本人の年収や勤務先、勤続年数
不動産投資は住宅ローンと異なり、自身の年収や勤務先などよりも物件の収益性などが重要です。とはいえ、審査に通りやすい職業などの傾向はあるので、個人の属性も影響はあります。
例えば、ローンの借主の年収は200万円以上であることが望ましいです。また、公務員や上場企業に勤めているサラリーマンは、返済能力が高いと判断されるので、審査に通りやすいです。勤続年数は3年以上あれば確実性が高いでしょう。
なお、不動産投資ローンでは収入が不安定な職業に就いている人であっても、物件の収益性が評価されて審査に通ることがあります。とはいえ、自営業の方は収入を証明する書類などの情報を用意しておくとスムーズに審査してもらうことができます。
不動産投資ローンを借りられない人の特徴
ローンを借りられない人は、上述した「ローンを借りられる人の特徴」を裏返した特徴を持っている可能性が高いです。次のようにまとめられるので、自分が当てはまっていないか確認しましょう。
- 物件の収益性が低い
- 物件の担保性が低い
- 頭金を支払うことができない
- 高齢者なのに連帯保証人がいない
- 本人の年収や勤務先、勤続年数で必要な要件を満たさない
物件の収益性・担保性が低い場合、不動産投資自体を見直す必要があるでしょう。投資を始めてから利益が出ないリスクが高いです。
頭金を支払うことができない人は、後述するように他の投資法で自己資金を増やすのが良いと考えられます。
残念ながら、高齢者なのに連帯保証人がいない場合や、本人の年収や勤務先・勤続年数が原因で審査に通らない場合、改善するのは難しいでしょう。金融機関に「この属性でも問題無し」と判断してもらえるだけの自己資金を貯めるのが良いと考えられるので、後述する投資法でお金を増やすよう努力するのが大切です。
不動産投資ローンを借りられない場合
不動産投資ローンが借りられない人は、まず自己資金を増やすことを検討しましょう。十分な自己資金が貯まってから再挑戦すれば、ローン審査に通りやすくなると考えられます。
不動産投資以外でお金を増やす方法なら、REIT(リート)がおすすめです。REITは不動産投資を小分けにしたようなイメージで、不動産投資会社に資金を預けて運用してもらう投資法です。10万円程度の現金で始めることができ、利回りは5%前後と高めです。そのため、今はまだ資金がない人でも挑戦しやすく、お金を増やしやすいのです。
ローンが借りられなければ不動産投資を始めるのは難しいので、まずはREITを活用して自己資金を増やしてみてはいかがでしょうか。お金が貯まってから不動産投資家になるのでも、遅くはありません。
ローンが借りられなかった人はREITから始めよう
不動産投資ローンを借りられる人と借りられない人の違いについてお伝えしてきました。不動産投資ローンの審査においては、次のようなポイントが重視されることを把握してから都市銀行などの金融機関に相談に行くと良いでしょう。
- 物件の収益性
- 物件の担保性
- 頭金を支払うことができる
- 連帯保証人の有無
- 本人の年収や勤務先、勤続年数
また、ローンが借りられない人はREITを利用して自己資金を運用して増やしてから、再挑戦してみてはいかがでしょうか。頭金や金融資産が準備できれば、審査に通りやすくなるはずです。
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