「銀行預金にお金を貯めていても、お金が増えない…」と悩んでいる方もいるでしょう。日本は超低金利時代に入ったため、銀行に預けてもお金が増えなくなりました。
そこで、投資に興味を持つ方が増えてきましたが、株式投資、不動産投資とさまざまな種類があるため、悩んでしまう人も多いようです。
実際にどちらの投資が良いのでしょうか?
ここでは、株式投資と不動産投資の資産運用方法の違いについて、分かりやすく解説します。
目次
不動産投資と株式投資の違い
不動産投資と株式投資の違いは、大きく「利益」「流動性」「方法」の3つに分類できます。
投資の利益
・不動産投資
不動産投資を通じて得られる利益は、購入物件を貸し出すことによって得られる家賃収入(インカムゲイン)と、不動産購入時よりも価値が高いときに売り出すことで得られる不動産売却益(キャピタルゲイン)です。
・株式投資
株式投資の場合は、株購入時よりも株価が高いときに売りに出すことで得られる値上がり益(売買益)、企業から受け取れる配当金や株主優待が受け取れます。
投資の流動性
・不動産投資
不動産投資は、資産の流動性が低いです。投資物件を売却しようとしても、すぐに購入者(買い手)が見つかるわけではありません。売却までに期間が必要です。売却する物件にもよりますが、2~4か月程度要するのが一般的です。
・株式投資
株式投資は、資産の流動性が高いです。株式市場が開いている時間であれば、自由に株式の売買が行えます。株式市場が開かれている時間は、前場(9時~11時30分)と後場(12時30分~15時)に分かれます。また、土日祝日は休みとなるため注意してください。
投資の流れ
・不動産投資
不動産投資は、収支計画表を作成して利回りを計算して、投資物件を選ぶことから始めます。また、物件選定を終えたら融資先を決めて、融資審査を受けなければいけません。また、不動産購入後は、どのように運営していくか考えていきます。不動産投資は、このような流れになるため時間を要します。
・株式投資
株式投資は、証券会社を選択して口座開設をすれば、すぐに始めることができます。銘柄を選んで株を購入して、株価が上昇した所で売却すると利益が確定する仕組みです。また、株を長期保有していれば、配当金や株主優待が得られます。
不動産投資の特徴
不動産投資と株式投資の違いについて解説してきましたが、次に不動産投資のメリット・デメリットをご紹介します。
1.安定収入が得られる
部屋を借りる場合は長期契約であることが多いため、安定収入が得られやすいです。また、築年数に応じて家賃は下落してしまいますが、大きく家賃が下がることは少ないです。
そのため、投資物件を保有しておけば、本業の収入とは別に、安定した収益を得ることができます。そのため、老後の年金代わりとなる収入が欲しいという方におすすめです。
2.死亡保険の代わりになる
投資不動産ローンを利用して購入する場合は、団体信用生命保険(団信)に加入することが義務づけられています。団体信用生命保険に加入をしておけば、ローン返済中に死亡した場合の残債は保険会社が支払ってくれることになるため、死亡保険の代わりになります。
3.所得税・節税効果対策
不動産投資収入から、建物の減価償却費やローン金利、固定資産税や都市計画税などの必要経費が差し引かれるため、所得税の節税効果が期待できます。また、不動産投資の事業が赤字になった場合は、他の所得と損益通算することによって、所得税や住民税の節税が行えます。
4.相続対策が行える
銀行預金や株式投資を相続する場合は、時価で評価をされてしまうため、相続税が高いです。しかし、不動産は路線価で評価されます。路線価は、実勢価格の70%前後で評価されることが多いため、相続税の節税対策になります。
5.インフレ対策
インフレ対策が進むと物価も上がりますが、土地の価格も上がります。そのため、家賃の値上げをしたり、投資用不動産を売却してキャピタルゲインを得ることもできます。
6.リスクがある
入居者が退去後に、すぐに新たな入居者が見つかるという保証はありません。当然ながら、入居者が見つからなければ、家賃収入は見込めません。これを空室リスクといいますが、不動産投資には、あらゆるリスクがあります。
空室リスク | 所有物件に入居者が入らず、家賃収入が得られないリスク |
修繕リスク | 修繕・設備費用が発生するリスク |
金利上昇リスク | 変動金利でローンを組んだ場合に、金利が上昇するリスク |
家賃滞納リスク | 入居者が家賃を支払ってくれないリスク |
地震リスク | 地震で建物が倒壊するリスク |
火災リスク | 火災が起きて建物に被害が及ぶリスク |
倒産リスク | 不動産管理を委託している不動産会社が倒産するリスク |
家賃下落リスク | 老朽化で家賃を下げなければいけないリスク |
不動産価値下落リスク | 外的要因の影響で不動産価値が落ちるリスク |
7.建物の老朽化がある
建物は経年変化により、老朽化していきます。老朽化した建物をそのままにしておくと、次の入居者が見つけにくくなり、資産価値も大きく下落してしまうので注意しましょう。そのため、不動産投資を行う上では、長期修繕計画が大切になります。
株式投資の特徴
次に、株式投資の特徴をご紹介します。
株式売却益が期待できる
株式投資は、売却益を期待できるのがメリットです。株価は常に変動しているため、取得したときの株価よりも高値で売ることができれば売却益を得ることができます。株式投資であれば、短期間で収益が得られるのも魅力的です。
配当金や株主優待がもらえる
株式投資は保有株数に応じて、配当金や株主優待をもらうことができます。配当は、企業の利益を株主に分配することで、決算で利益が出た場合に配当金が出ます。その一方で、株主優待は、企業が株主に対してお礼として自社製品のサービスを提供するものです。株主優待の内容は、企業によって異なります。
企業経営に参加できる
株式投資をして企業の株式を保有すると議決権が与えられ、企業の経営に参加できます。株主総会では、企業の運用状態や資産の活用方法を聞くことができるため、株式を保有し続けるべきかの判断も行えます。
株価が下落してしまう可能性もある
証券取引所で売買されている株価は常に変動しているため、購入時の価格より下がることもあります。株式投資は儲けることもできますが、損をしてしまうこともあるため、自己責任が取れる範囲で行わなければいけません。
投資初心者にはハードルが高い
株式投資の投資先は2,000社以上にのぼります。そのため、どこの企業に投資をすれば良いか分からずに悩んでしまうでしょう。投資初心者には、投資判断がしにくくハードルが高く感じられるかもしれません。そのため、初心者の方は、投資信託でプロに運用を任せた方が良いでしょう。
不動産投資と株式投資の違いを比較
不動産投資と株式投資の違いを解説してきましたが、比較すると下記のようになります。
不動産投資 | 株式投資 | |
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メリット |
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デメリット |
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まとめ
不動産投資と株式投資は、投資でも特徴が大きく異なります。
不動産価値は、長期的な運用が必要になりますが、安定収入が得られて節税効果が期待できます。
その一方で、株式投資は気軽に始められて、株式市場が開かれている場合は売ることも可能です。しかし、株価が下落してしまうリスクも伴うため、日々の運用が欠かせません。
このような特徴を押さえておくことで、どちらの投資を行えば良いかの目途が立つはずです。また、投資で儲けるためには知識が必要不可欠となるため、本を読んだり、投資セミナーに参加して学びを深めてくださいね。