不動産投資では、収支シミュレーションが大切です。表面利回りは「表面利回り=(年間家賃収入÷物件価格)」で計算されます。投資家であれば、少しでも高い利回りを実現したいものです。
高い利回りを実現する方法として、指値交渉を成立させて物件価格を安く抑えるという方法があります。
しかし、どの物件でも指値交渉が成立するわけではありません。交渉が成立しやすい物件を見極めることが大切です。
どのような物件が指値交渉できるのでしょうか?ここでは、指値交渉して掘り出し物件を購入する方法について解説します。
目次
指値交渉して掘り出し物件を購入するメリット
指値交渉して物件を安く購入すれば、さまざまなメリットが得られます。ここでは、指値交渉して掘り出し物件を購入するメリットについて解説します。
1.利回りが上がる
不動産投資の表面利回りは「表面利回り=(年間家賃収入÷物件価格)×100」で計算できます。例えば、3,000万円で家賃10万円のマンション1室を指値交渉(150万円)が成立した場合を検証してみましょう。
年間家賃収入:10万円×12ヵ月=120万円
指値前の表面利回り:(120万円÷3,000万円)×100=4.0%
指値後の表面利回り:(120万円÷2,850万円)×100=4.2%
上記の結果を見ても分かるように、指値交渉が成立すれば利回りが上がります。そのため、早い段階で初期費用を回収することができるのです。
2.修繕費用に回すことができる
不動産投資は、投資物件を購入して終わるものではありません。投資物件は築年数に応じて、経年劣化していきます。そのため、必要に応じた修繕工事をしなければいけません。修繕工事の内容によっても異なりますが、修繕費は10万円~100万円程度します。
また、不動産投資の出口戦略としてリノベーションなど大規模工事を行うこともあります。このような大規模工事には、300万~1,000万円かかるので、修繕費は積み立てていかなければいけません。投資物件を購入するときに指値交渉ができれば、100万円程度は安く購入できるため、その資金を修繕費用に回すことができます。
3.入居者に快適な部屋を提供できる
購入資金を安く抑えることができれば、その資金を部屋のリフォームや設備に充てることができます。インターネット無料・オートロック・ホームセキュリティ・防犯カメラなどの設備は入居者から人気を集めているため、これらの設備を用意すれば、競合物件より優位性が高まり入居率もアップして空室対策につなげられます。
指値交渉が通りやすい掘り出し物件の特徴
指値交渉が通る掘り出し物件を見つけることができれば、投資物件の購入資金を安く抑えられます。不動産投資を検討している方は、少しでも物件を安く購入したいと思っている方もいるのではないでしょうか?
実際に、どのような物件が指値交渉で通りやすいのでしょうか?ここでは、指値交渉が通りやすい掘り出し物件の特徴について解説します。
元付け物件
元付け物件の場合、元付業者は売主と買主の両方から手数料がもらえるので、一度の取引で二倍の仲介手数料(契約金額×3%+6万円+税)が得られます。高い仲介手数料を得られるため、その分、指値交渉に応じてもらいやすくなります。
元付け物件かどうかは、物件概要を確認しましょう。「専属専任」「専任」と記載されていたら元付物件です。また「売主」と記載されていたら、売主本人となるので仲介手数料は不要となります。
相続物件
不動産を相続した場合、相続した翌日から10ヵ月以内に相続税を支払わなければいけません。相続人は相続税を納税しなければいけないため、10ヵ月以内に不動産を売却して現金化したいと思っています。
売主側は1日でも早く売却したいと思っている場合、相続物件は指値が通りやすい掘り出し物件となります。
売れ残りの物件
長く売れ残っている物件の場合、売主側も不動産仲介会社も販売に弱気になっています。物件売却で売れ残るには理由があります。
代表的な特徴としては、駅から遠いなどの立地条件が悪い物件です。また、建物の状態が悪い物件なども該当します。販売しても買主が見つからない物件は、半額の指値が入ることもあります。そのため、いつ頃から販売されている物件なのか質問してみましょう。
残置物がある物件
空き家などにある残置物は、一般家庭ゴミで出すことができずに処分費用がかかります。また、残置物の処分には労力も要するため、残置物がある物件の場合は「残置物の撤去を引き受けるから、指値交渉をさせて欲しい」と伝えると、条件問わずに指値が成立しやすいです。
築年数が古い320万円の戸建に対し、残置物処分をする代わりに100万円の指値が成立したケースもあります。
指値交渉が通る掘り出し物件を見つけるコツ
これまで、指値交渉が成立する掘り出し物件の魅力について解説しました。次に、指値交渉をする場合のコツをご紹介します。
売主のプロファイリングを行う
最初から指値交渉をするのは極めて失礼で危険な行為です。そのため、売主のプロファイリングから行いましょう。
「売却理由」「売却希望時期」「売主の属性」「性格」「年齢」「残債」などを仲介不動産会社に尋ねてみてください。上記でも述べましたが、売却理由が相続であり、売却希望時期が目の前まで迫ってきているような状況であれば、指値交渉がしやすいです。
成功している不動産投資家は、不動産仲介会社や不動産管理会社から売主情報をヒアリングする傾向があります。そのため、必ず、物件情報だけではなく売主情報も収集しましょう。
指値交渉が成立するか見極める
指値交渉が成立するか見極めることが大切です。不動産仲介会社の中には、売主の希望通りに不動産を売りたいと思っています。そのため、見極めを誤ってしまい指値交渉をしてしまうと希望物件に買付をしてもらえなくなるので注意が必要です。
売主のプロファイリングを入念に行い、指値交渉が成立するかどうかを慎重に見極めるようにしましょう。
不動産仲介会社を味方にする
指値交渉を成立させるためには、不動産仲介会社に「この人に売りたい」と思ってもらうことも非常に重要です。買主側が安く購入したいと思っていても、売主側に伝えないと指値交渉は始まりません。
不動産会社の中には、指値が入った買付を売主に伝えないという会社もあります。正直、不動産会社側は売主に指値交渉するのに力を要します。そのため、不動産仲介会社を味方につける必要があるのです。
不動産仲介会社を味方につける方法は、投資実績を豊富に持つことが近道ですが、投資経験がない人もいるでしょう。そのような場合は、契約後にトラブルを起こさない、気持ちが良い取引が行える人と思ってもらうことが大切な要素となります。
物件購入資金を安く抑えて高い利回りを実現する
今回は、指値交渉が成立しやすい掘り出し物件の探し方について解説しました。不動産投資で高い利回りを実現するためには、高い家賃収入を得ることも1つの方法ですが、物件購入資金を安く抑えるのも1つの方法です。
購入資金を安く抑えることができれば、修繕費用などに充てることもできます。このように指値交渉をして、上手に投資物件を購入することが不動産投資の成功の秘訣となります。
そのため、不動産投資を始めようと思っている方は、利回りだけではなく、指値交渉が通りやすい掘り出し物件かどうかも、ぜひ確認してみてください。
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