人が住まなくなった古民家を住宅・賃貸・宿泊施設などに再利用する人が増えています。訪日外国人の宿泊先として民泊がブームになり、その中でも古民家は根強い人気を集めています。
古民家の歴史を感じる雰囲気とオリジナリティ溢れる空間に憧れたり、インバウンドの宿泊施設を経営したいと古民家リノベーションをしてみたいと思う方が増えています。
しかし、古民家リノベーションをしたいと思った場合に気になるのが費用です。古民家のリノベーションは、どれぐらいするのでしょうか?
この記事では、古民家のリノベーション費用相場について分かりやすく解説します。
目次
古民家のリノベーション費用相場
古民家リノベーションの費用相場は、規模や工事内容によって変動します。Panasonicが独自調査した古民家リノベーション費用の相場は以下の通りです。
価格帯 | 割合 |
---|---|
0~500万円 | 5.1% |
501~1,000万円 | 17.9% |
1,001~1,500万円 | 15.4% |
1,501万円~2,000万円 | 20.5% |
2,001万円~2,500万円 | 15.4% |
2,501万円~3,000万円 | 10.3% |
3,001万円 | 15.4% |
参考:Panasonic『古民家再生のリフォーム費用の相場・目安』
梁や柱など、古民家ならではの趣をインテリアに活かすことができるのが魅力的ですが、築年数が経過した古民家で安心して住めるように耐震性能や断熱性能を高める工事をしなければいけません。
とくに、耐震性を高めるためには、筋交いを入れたり、耐力壁を増やさなければいけませんが、この耐震リフォームだけでも高額な費用になります。
そのため、古民家リノベーション費用の平均相場は1,500万円前後になると言われているのです。古民家のリノベーション費用は想像以上に割高にです。
古民家リノベーション費用を相場以下に抑えるコツ
古民家リノベーション費用の相場について理解を深められたと思いますが、少しでもリノベーション費用を安く抑えたいと考えている方もいるでしょう。実際に、工夫次第でリノベーション費用は安く抑えられます。ここでは、リノベーション費用を安く抑えるコツをご紹介します。
地元の工務店に依頼する
全国展開しているハウスメーカーでは、テレビCMなど莫大な宣伝広告費が使用されていたり、モデルハウスの維持費がかかっていたりするので、どうしても建築費用が割高になってしまうのです。
その一方で、地域密着型の工務店は、そのような運用コストがかかっていません。地域密着型の工務店では、宣伝広告費などのコスト削減が徹底されています。このようなコストを削減できている分、リノベーション費用を安く抑えることができるのです。
そのため、少しでも費用を安く抑えたい場合は、地元の工務店を選びましょう。
減税制度や補助金を活用する
古民家リノベーションで利用できる減税制度は、以下のような制度があります。
リフォーム内容 | 所得税の減税額 | ||
---|---|---|---|
投資型減税 | ローン型減税 | 住宅ローン減税 | |
耐震リフォーム | 最大25万円 | - | 10年間で最大400万円 |
省エネリフォーム | 最大25万円 | 5年間で最大62.5万円 | |
バリアフリーリフォーム | 最大20万円 | 5年間で最大62.5万円 |
所得税のほか、リフォーム内容次第で固定資産税や贈与税でも減税措置が受けられる場合があります。そのため、減税制度について理解を深めておきましょう。
また、減税制度以外にも、各自治体で古民家リノベーション向けの補助金が用意されていることがあります。補助金の詳細や利用条件は各自治体によって異なります。そのため、補助金を活用したい方は自治体に問い合わせてみましょう。
キャンペーンを利用する
キッチンや浴室など水回り設備を交換したい場合は、キャンペーンを利用してみても良いでしょう。在庫として抱えているものを大幅値引きして販売します。
新商品の入れ替えのための在庫処分にはなりますが、かなりお得に設備交換ができるはずです。そのため、キャンペーンが開催されていないかを良く確認しましょう。
古民家リノベーションを行う場合の注意点
古民家リノベーション費用について理解を深めた上で、実際にリノベーションを依頼したいと感じた方もいるのではないでしょうか?しかし、依頼する際の注意点もあります。
ここでは、古民家リノベーションを行う場合の注意点についてご紹介します。
古民家リノベーションの実績を持つ業者に依頼する
近頃は、工場で木材を加工するプレカットの普及や工具の進歩によって、伝統工法で必須だった刻みや墨付けの技術は大工に求められなくなりました。そのため、古民家の修繕に対応できない大工も珍しくありません。
古民家リノベーションの実績がない業者に依頼すると、耐震性など不安なことが出てきてしまう恐れがあるため、古民家リノベーションの実績を豊富に持つ業者に依頼するようにしましょう。
古民家を購入する場合は慎重に物件を選ぶ
古民家を購入してリノベーションを計画している方もいると思います。このような場合は、物件選びを慎重に行ってください。
古民家は築年数が古いため、柱・梁などの構造部分に問題がないかを良く確認した方が良いです。また、屋根の雨漏りなどのトラブルがないかも確認することも大切です。
床下点検口を開いて、シロアリが発生していないかも確認しましょう。シロアリ被害に遭っていて、柱などが老朽化していたら構造的に危険です。これらの構造部分は、素人では分かりにくいため、物件購入前に住宅会社に見てもらいましょう。
古民家リノベーションは断熱・耐震も必要になる
古民家は、1981年以前の旧耐震基準で建てられた家が多いため、安心して暮らすためにも、耐震診断・耐震補強をキチンと行わなければいけません。
また、古民家には断熱性能が備わっていないため、住み心地が悪いです。浴室の寒さはヒートショックの原因になるので健康被害を招いてしまう恐れがあります。そのため、古民家リノベーションをする場合は、断熱・耐震工事も行いましょう。
補足:古民家リノベーションを実施する前に体験してみよう
古民家リノベーションを検討している方は、実際に行動に移す前に、古民家の暮らしを体験してみることをおすすめします。実際の間取りやデザイン、過ごしやすさを体験すれば古民家リノベーションを実施すべきかどうかの決断ができるようになるのでしょう。
近頃は、自治体が主催する古民家見学ツアーや、古民家を改修工事した宿泊施設などが登場しています。これらのサービスを利用して古民家体験をしてみると、古民家での暮らしがイメージしやすくなるはずです。そのため、ぜひ、古民家リノベーションを実施する前に体験してみてください。
リノベーション費用は想像以上に高くなりがち
この記事では、古民家のリノベーション費用相場について紹介しました。
歴史感じる雰囲気とオリジナリティあふれる空間が魅力的な古民家ですが、伝統的な工法が採用されているため、リノベーションに対応できる業者も限られています。
また、築年数が古いため、耐震工事や断熱工事も検討しなければいけず、想像以上にリノベーション費用は高くなりがちです。
しかし、日本の伝統的な建物の雰囲気を演出できる古民家は訪日外国人に大変人気で、民泊の中でも根強い人気を集めています。そのため、それらを踏まえた上で、古民家リノベーションを行うかどうかを判断してみてください。
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