中古物件を購入して、賃貸物件と貸し出したい場合に、リフォームやリノベーションを検討することもあるでしょう。
ところで、”リフォーム”と”リノベーション”の違いをご存知ですか?説明できない方がほとんどではないでしょうか。
実際に工事を行う場合はどちらが良いのでしょうか?
それぞれの工事の違いは何なのでしょうか?
この記事では、リフォームとリノベーションの違いについて分かりやすく解説します。
目次
リフォームとリノベーションの違い
リフォームとは
リフォーム(reform)を直訳すると「悪い状態からの改良」です。リフォームとは、老朽化した箇所を新しく改良して修復する工事のことをいいます。外装の塗り直しや屋根交換工事、水回り設備の交換工事や壁紙の張り替え工事など、工事内容は多岐に渡ります。
リノベーションとは
リノベーション(renovation)を直訳すると「革新」です。リノベーションとは、既存の建物に対して新たな機能を付けて、建物自体の資産価値を高められる工事のことをいいます。水回り設備を現代的なものにしたり、間仕切りをしたりなどの大規模工事のことをいいます。
リフォームの特徴:メリット・デメリットは?
リフォームとリノベーションの意味について触れましたが、それぞれの工事について理解を深めましょう。ここでは、リフォームの特徴をご紹介します。
1.工事費用が安い
リフォームは、工事の規模が小さいため費用が安く抑えられます。そのため、多額の資金を用意できない方でも行いやすいです。
【リフォームの工事費用】
工事内容 | 料 金 |
---|---|
壁紙の張り替え | 約30万円 |
外壁交換 | 約100万円 |
フローリングの張り替え | 約50万円 |
屋根交換 | 約100万円 |
キッチン交換 | 約100万円 |
浴室交換 | 約100万円 |
(※注意)工事費用は、設備のグレードや施工業者によって変動します。
2.工事期間が短くて済む
リフォームは、間取り変更に伴う解体工事を行わずに済むため、工事期間が短くて済みます。工事箇所にもよりますが、1週間程度で工事が完了することが多いです。
【リフォームの工事期間】
工事内容 | 期 間 |
---|---|
壁紙の張り替え | 約1日 |
外壁交換 | 約7日 |
フローリングの張り替え | 約3日 |
屋根交換 | 約7日 |
キッチン交換 | 約5日 | 浴室交換 | 約5日 |
3.空間のイメージがしやすい
リノベーションは空間全体の変更になるため、空間のイメージがしにくいです。近頃は、3DCGの登場によって、工事完了後のイメージがしやすくなりましたが、イメージと異なる仕上がりも少なくありません。
しかし、リフォームであれば、部分的な改良工事となるため大きな相違が起きません。空間のイメージがしやすいため、工事の失敗は少ないです。
4.住み慣れた家に住める
育ててきた子どもが独立をして、夫婦2人で第2の人生を送る際に、住宅の改修工事を行う方は多いです。また、リノベーションとリフォームで悩みがちです。資産価値を高められるリノベーションを好む人もいますが、リノベーションが良いとは限りません。
間取り変更を伴う大規模工事を行うことで、住みにくくなる場合もあります。そのため、住み慣れた家に住めるリフォームが向いている場合もあります。このように、リフォームであれば、住み慣れた家に継続して住めるというメリットがあるのです。
5.自由な間取り変更ができない
子どもの成長に伴い部屋を2つに分けたり、老後を見据えて暮らしやすい間取りに変更したりしたい場合もあるでしょう。しかし、リフォームは解体工事を伴わない小規模の改良工事を指すため、自由な間取り変更は行えません。
6.建物の状況を確認できない
リフォームは内装工事など表面的に見える箇所の改修工事です。しかし、築古の物件は躯体が腐敗しているなどの大きく損傷しているケースも少なくありません。
実際に、建物の状況は構造を確認しなければ分からないのです。そのため、耐震性などが気になる場合でも、建物の状況を把握することはできません。
7.建物の資産価値は上がらない
リフォームは、老朽化して機能しなくなった設備を交換したり、傷がついた壁紙やフローリングの張り替えをしたりする工事です。マイナス部分を修復するための工事のため、新築時同等もしくはそれ以下の価値となります。
リフォームすることで、不動産投資の入居募集がしやすくなるなどのメリットはありますが、建物自体の資産価値は上がらないので注意しましょう。
リノベーションの特徴:メリット・デメリットは?
次に、リノベーションの特徴をご紹介します。
1.自分の好みの空間にできる
リノベーションを希望する方の要望はさまざまですが、解体してスケルトンの状態から工事を始めることも可能なため、自分の好みの空間に自由に変更できます。
- 子どもの成長に伴い、大きな部屋を2つに分ける
- 2間続きの部屋の間仕切り壁を取りたい
- 老後を見据えて1階だけで過ごせる間取りに変更したい
実際には、上記のような間取り変更を希望される方が多いです。
2.新築より低コストで物件購入できる
新築物件と中古物件のどちらを購入するか悩む方は多いですが、新築物件は修繕する必要がないメリットはありますが、新築プレミアムという価値が販売価格に上乗せされています。
新築物件に住んだら、1割~2割程度の価値が下がってしまうのです。その一方で、中古物件は、建物自体の資産価値が下がりにくいです。そのため、新築と比較すると、低コストで物件を購入することができます。
3.物件の選択肢が広がる
東京都内などの人気エリアは、土地や不動産の流通が少ないです。そのため、新築物件限定で物件探しを始めると、どうしても選択肢が狭くなってしまうでしょう。
その一方で、中古物件であれば、さまざまな物件が販売されています。そのため、物件購入時に、中古物件をリノベーションするという選択肢を視野に入れれば、物件の選択肢はグンと広がります。
4.物件の資産価値を高められる
リノベーション(renovation)は、直訳すると革新という意味です。既存の建物に対して新たな付加価値を付けて、建物自体の資産価値を高める工事のことをいいます。そのため、デザインや間取り変更をすることで、不動産売却価格を高めることも可能です。
実際に、不動産投資戦略で、リノベーションして高値で売るという業者も多いです。
5.耐震工事が必要になることもある
自由な間取り変更ができるリノベーションは魅力的ですが、建物自体の構造を良く確認しなければいけません。構造が腐敗している場合は、耐震補強工事をしなければいけません
。耐震補強工事内容にもよりますが、200万円~300万円程度します。
また、旧耐震基準の木造住宅(1981年以前の建物)は、大震災に備えた構造を要していないので、耐震工事を行わなければいけません。そのため、中古物件を購入してリノベーションする場合は、専門家に物件を確認してもらいましょう。
6.入居までに時間を要する
建物を刷新するリノベーションは、リフォームと異なり設計期間を必要とします。そのため、設計期間を含めて、半年程度は工事期間になることを想定しておきましょう。中古物件を購入してリノベーションする場合は、すぐに入居できるわけではないので、そのことを踏まえて計画してください。
7.ローンの金利が高くなる
中古物件のリノベーション費用の支払いをローンでする場合は、リフォームローンを利用することになります。リフォームローンは、住宅ローンと比較すると金利が高めに設定されています。金融機関によっても異なりますが、1.5%~3%は金利が高くなるので、借入金額に応じて総返済額の負担は大きくなりがちです。
【比較表】リフォームとリノベーションの違い
リフォーム | リノベーション | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
両方の特徴を理解してより効果的に不動産投資を行おう
今回は、リフォームとリノベーションの違いについて解説しました。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、特徴を理解した上でどちらかを選べば、より効果的に不動産投資事業を運用していくことができるはずです。
そのため、それぞれについて理解を深めましょう。
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