【2021年版】増え続ける空き家の活用方法

相続した家が適切に管理されないまま「空き家」となっており、空き家問題は深刻化しています。そのため、2015年5月に国土交通省が施工された「空き家対策特別措置法」では、老朽化や管理不足によって、倒壊の危険がある空き家を「特定空き家等」とし、国が主体となって修繕や撤去の指導、強制撤去が行えるようになりました。

空き家を相続した人は、対応に迫られていますが、建て壊して更地にするのも費用がかかると頭を悩ます方が多くいます

そのままの状態で放置し、そのエリアに住む人(近隣住民)に迷惑をかけていたり、不法侵入されてしまうなどトラブルに発展している空き家も増加しているのです。実態調査では、今後、空き家は増え続けていくと発表されているので、他人事ではありません。

このように問題となっている空き家は、どのように活用すれば良いのでしょうか?ここでは、空き家問題の対策になる空き家の活用方法を紹介します。

空き家が増える要因

空き家が増える理由
空き家問題を耳にする機会が増えてきていますが、何が原因なのでしょうか?また、どれぐらいの空き家が増えているのでしょうか?ここでは、深刻化している空き家問題について分かりやすく解説します。

全国の空き家率の推移

空き家調査は、1963年から3年ごとに実施されていますが、2018年に発表された全国住宅数は約6,240万戸で空き家数は過去最高の約848万戸になり、これらは、全国の住宅の13.6%に相当します。1988年当時は394万とだったため、20年間で約2倍。現在も空き家は増え続けており、空き家問題は深刻化しているのです。

参考:総務省『平成30年住宅・土地統計調査住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要

空き家が増加する理由

少子高齢化により人口減少が加速していく中、総住宅数が総世帯数を上回り、その差が開いていることが、空き家増加の大きな理由です。跡継ぎがいない高齢者が空家のままにしてしまう場合や、相続で実家を引き継ぐ人がいて、そのままの状態にしている方もいます。

建物を解体して更地の状態で所有すると、固定資産税が増えてしまうため、とりあえず建物を残しているという方が多いです。

参考:総務省『人口推計(令和2年(2020年)12月平成27年国勢調査を基準とする推計値,令和3年(2021年)5月概算値) (2021年5月20日公表)』

空き家所有による問題

空き家を所有している人は、相続で実家を引き継いだ人が多いです。実家の売却を考えても、築年数が古いため売れず、そのままの状態で貸し出そうと思っても借り手が見つからず、更地にしたくても解体費用が支払えず取り壊しが行えず、そのままの状態にしているという方も珍しくありません。

このような住戸は適正に管理されておらず、雑草が生い茂るなど状況は悪化していることが多いです。そのため、空き家問題は、近年、社会問題にもなっているのです。

また、空き家は所有しているだけでも、固定資産税を支払わなければいけないため、所有している空き家は有効活用した方が良いのです。

しかし、実際に、どのように活用すれば良いか分からないという方が多いのが大きな問題となっています。

問題化している空き家のタイプ

総務省「住宅・土地統計調査」では、空き家は「賃貸用」「別荘用」「売却用」「その他」の4つのタイプに分類されています。それぞれ、どれぐらいの割合を占めているのかを確認しておきましょう。

1.賃貸用

新築住宅・中古住宅に関わらず、賃貸住宅で空き家の状態になっている住宅のことをいいます。総務省「平成30年住宅・土地統計調査特別集計」によると、空き家全体の50.9%の割合を占めています。

2.別荘用

週末や長期休暇の際にバカンス目的として使用される別荘や別宅のように、普段は人が住んでいない住宅のことをいいます。総務省の同集計によると、空き家全体の4.5%の割合を占めています。

3.売却用

新築・中古を問わず、売却目的として目的として空き家になっている住宅のことで、総務省の同集計によると、空き家全体の3.5%の割合を占めています。

4.その他

賃貸用・別荘用・売却用以外の中古住宅のことをいいます。相続をした後に、取り壊すことができずに、そのままに放置している住宅などを指します。全体の41.1%を占めていて、最も増加傾向にあるタイプです。

空き家の活用方法

空き家の活用方法を相談している家族
増え続けている空き家ですが、有効活用するにはどうすればいいのでしょうか?ここでは、空き家の活用方法をご紹介します。

賃貸物件として貸す

空き家のリフォームなどをせずに、収益を上げたい方におすすめの方法は賃貸です。比較的キレイな状態の家であれば、賃貸で貸すことができます。近頃は、田舎暮らしが見直されており、都市圏からの移住も増えてきています。田舎暮らしでは、アパートなどの集合住宅よりも戸建てを希望する人が多くいるため、意外に需要はあるのです。

シェアハウスとして賃貸経営する

核家族化が進んだ現在では、家族連れにすら、田舎の空き家は広すぎることがあり、賃料の安いシェアハウスにも需要があります。

民泊経営

長期契約の賃貸であれば、入居者が退去しなければ修繕工事はできませんが、民泊であれば、得た収益で定期的にリフォームを行い、自宅に価値を付与できます。

空き家をビジネス活用

空き家に投資して、リノベーションやデザインで収益を生み出す空き家ビジネスを検討する方は多いかと思います。修繕費用などがかかりますが、ビジネスとして成立すれば、大きな利益が得られます。

解体して土地活用

家が古すぎて活用するには難しいという場合は、更地にして土地活用することもできます。また、空き家は管理されていないと行政指導の対象になる恐れもあり、その煩わしさから解放されたいという方も土地にすることをおすすめします。

更地に戻すことで、賃貸住宅・駐車場経営・太陽光発電ビジネスなど活用方法の選択肢は広がります。

空き家を売却

買い手が見つかりやすく流通性のある物件で、価格次第で空き家を売却しても良いと思える場合には、売却の検討もおすすめします。空き家の売却は、空き家や土地などの不動産を現金に変えるだけなので、簡単に収益化することができます。

不動産は流通性が低い資産で、使い道の限定されない現金の方が圧倒的に資産運用の自由度が高いからです。

空き家活用を行う時の注意ポイント

空き家はそのままにしておくくらいなら、土地や建物をうまく活用して収益化を目指したほうが良い、という事がわかりました。
実際に空き家の収益化を目指すにあたって、どのようなポイントに気をつけたらいいのでしょうか。

リフォーム費用の出費

思いの外リフォーム費用がかさんでしまうケースがあり、収益を出すまでに時間がかかってしまうことがあります。
事前にシュミレートした想定箇所以外にも、雨漏りや排水管の劣化など水まわり関連は後々、劣化が判明するケースが見られます。

物件が古い場合、維持管理の際にも追加の修繕箇所が発覚し、さらにリフォーム費用がかさむことも考えられます。

土地の担保価値や評価の低さ

数百万円程度で購入できる空き家は訳あり物件であることが多く、都市計画の制限を受け用途が限定された、価値の低い土地であることが多く見られます。
土地の価値が低ければ金融機関からの評価も低くなりますので、融資が受けにくく簡単に売却できない可能性があります。

アパート運営などの一棟不動産投資は、空室ばかりになり運用が立ち行かなくなった場合、土地ごと売却することでリスクを抑えていますが、土地の価値が低いと売却できず、回収リスクが高くなるため、融資が受けられない状況に陥ってしまい不人気物件となってしまうのです。

空室リスクの高さ

不動産投資には空室リスクが付き物ですが、空き家の投資は一軒を一世帯に貸すことが多いため、一棟アパートや単身者向けのワンルームに比べると、空室リスクがゼロが100の運用となります。

空室リスクを分散するには、空き家運用を複数件行うか、シェアハウスとして複数人に貸す、という手段が考えられます。
いずれも手間や初期費用、維持管理費用がかかりますので、空室リスク対策は空き家運用を行う上ではデメリットとなります。

土地や建物の相場の調査法

空き家運用を始めるにあたって、土地や建物の相場の調査法を見ていきましょう。

実勢価格が基準となる

実勢価格とは、実際に売買される土地の取引価格の事です。
物件がある地域の過去の売買実績の平均値で表されます。ある程度のエリアに分けて取引事例を参考に、算出されます。

実勢価格は、国税庁が発表する路線価図や評価倍率表をもとに算出します。
より詳しい実勢価格を知りたい場合、不動産鑑定が必要です。

実勢価格以外の価格基準

不動産の価格は実勢価格以外にも、「公示価格」「路線価」「基準値価格」「固定資産税評価額」「鑑定評価額」の5つの基準があります。この5つに実勢価格を加えることで、不動産価格を査定する一物六価と呼ばれています。

一物六価の中でも、土地の売却価格の指標となるのは実勢価格です。他の指標は、専門機関による価格の決定がなされますが、実勢価格は、実際の取引をもとに価格が算出されますので、最も参考に値する指標とされています。
相場を確認するにあたっては、全体の指標を確認しつつ、相場観を身につけるようにしましょう。

空き家と土地を含めた相場の調べ方

建物と土地を含めた価格を調べる時は、「不動産取引価格」をもとに計算すると、大まかな価格を算出することができます。
不動産取引価格は国土交通省が調査しており、取引を行った人や不動産事業者への聞き取りをもとに算出した、地域ごとの土地価格です。

不動産取引価格は土地総合情報システム内にある「不動産取引価格情報検索」から確認することができます。

不動産価格は周辺地域の状況や、リノベーションによる資産価値の向上によって変化しますので、定期的に価格を調査しておくことをオススメします。

参考:不動産取引価格情報検索|国土交通省

空き家を収益化!空き家物件の探し方

ネットで空き家を探す女性
問題になっている空き家は安く購入できる場合が多いため、空き家を活用して不動産投資を行っている投資家が増えています。もし、空き家を所有していない方が、空き家投資を始める場合は、どのように空き家を探せば良いのでしょうか?ここでは、空き家になった住宅の探し方をご紹介します。

⇒こちらもチェック!空き家投資が高利回りな理由

【初心者におすすめ】空き家専門の不動産業者を活用する

昨今の空き家問題と、需要の高まりにより空き家を専用に扱う業者が現れました。
空き家専門に扱っている業者なので、空き家の活用方法やそのための費用など詳しいことを熟知しています。

プラットフォーム株式会社は、物件(空き家)仕入れ・リフォーム・物件管理をワンストップで行ってくれます。「安く購入して、安く直し、安い賃料で貸し出す」をプロが代行してくれるのです。
本業があり、あまり時間をかけられないサラリーマンや、不動産投資の初心者の方におすすめの方法です。

ネットワークから空き家情報をもらう

豊富なネットワークを持っている不動産会社から、空き家情報を受け取るのも1つの方法です。また、ネットワークを持っておけば、意外な場所から、空き家情報が入手できます。

例えば「祖母が亡くなって、使用しない住宅を相続することになった」と会話から出てくることもあるでしょう。そのため、空き家情報を得るために、常にアンテナを張っておくことが大切です。

空き家バンクを使用する

全国の自治体や不動産会社の間で、空き家を巡回して状況報告を行う「空き家の見守り運動」が開始されています。また、空き家バンクという空き家情報を収集し、所有者と利用希望者をマッチングするポータルサイトが運営されています。

インターネットで「空き家バンク」と検索すると、さまざまな空き家情報が掲載されているポータルサイトがヒットします。この空き家バンクを利用すれば、手軽に空き家情報の検索ができるため、定期的に閲覧をして情報収集しましょう。

まとめ

2018年に発表された空き家数は過去最高の848万戸になり、これらは、全国の住宅の13.6%に相当します。日本は、少子高齢化社会のため、今後も空き家は増え続けていくでしょう。

従って、空き家対策が検討され始めているのです。

これらの空き家を上手に活用することによって、新たなビジネスが成立したり、収益を生み出す可能性もあるのです。活用方法は、実にさまざまです。そのため、上手に活用したいという方はプロに相談をしてみましょう。

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